【自閉症】小学校はどうなるの?「特別支援学級」はどんなところ??

   

特別支援学級

漫画:moroさん

自閉症の子供を持つお母さんは、就学前になると、小学校をどうするかという問題に直面します。
相談に行った市の教育機関で『特別支援学校』や『特別支援学級』などをそれとなく勧められ、「最終的に決めるのは親御さんですから」と決定を委ねられても、どうしたらいいか分からず困っているお母さんもたくさんいらっしゃいます。
自分の選択に子供の未来がかかっていると気負えば気負うほど、頭が混乱してしまうものですよね。
今回は少しでもそんなお母さんのお役に立てるよう、『特別支援学級』に焦点を当ててご説明したいと思います。

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■自閉症の分類

自閉症は先天的な脳疾患で、言葉の遅れ・強いこだわり・感覚過敏といった特徴があり、社会的な自立のために療育やサポートを必要とします。
自閉症といっても状態は様々で、子供の症状よって合うであろう学校形態も変わってきます。
そこで学校の説明に入る前に、まずは自閉症の大まかな分類についてをお話しします。

① 知的障害を伴う自閉症

自閉症の症状に加え、一般的にIQが70以下の状態をいいます。
知的障害の度合いは、

おおよそIQ35未満が重度
IQ50未満が中度
IQ70未満が軽度

とされています。
言葉の発達の遅れが目立ち、一人で日常生活を送るのが難しかったり、なかなか物事を理解できない面が見られます。

② 知的障害を伴わない自閉症

高機能自閉症と呼ばれるものです。
自閉症の症状を持つIQ70以上の状態をいい、場合によっては平均値(100)よりもずっと高いこともあります。
言葉の発達に遅れがなく一見して自閉症であることが分かりにくいのですが、感覚過敏や強いこだわりを持っており、周りからは「変わった子」と思われ孤立しがちです。

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■自閉症の子供と小学校

それでは、自閉症の子供の進学にはどういった選択肢があるのかを見ていきましょう。

① 特別支援学校

特別支援学校は心身に障害のある子供のための小学校であり、知的障害・聴覚障害・視覚障害・肢体不自由など、様々な障害の子供が通っています。
先生が教員免許だけでなく特別支援学校教員の免許も持っており、子供が自立して日常生活を送れるよう教育してくれるのが特徴です。
自閉症の子供の場合、知的障害が顕著であったり、サポートがないと学校生活が難しいと判断された場合、特別支援学校を勧められます。

② 特別支援学級

特別支援学級は普通の小学校に併設されているクラスで、日常生活は自立出来ていても集団生活を送るのが難しい子供が通います。
普通クラスに対して少人数なのが特徴で、先生が個別に勉強をみてくれるのが特徴です。
普通級との交流も盛んに行われており、進み具合によっては普通級のクラスで一緒に勉強することも可能です。

③ 通級指導教室

通常は普通級に在籍し、苦手科目やついていくのが難しい授業の場合のみ、クラスを離れて通う学級です。
情緒学級やことばの教室など、学校によって置かれている通級指導教室は異なり、子供の特性に合わせて通っている小学校とは別の通級指導教室に通うことも出来ます。

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■特別支援学級の特徴

軽度の知的障害を伴う自閉症だと、特別支援学校か特別支援学級。
知的障害を伴わない自閉症だと、特別支援学級か通級または普通級で悩むところなのではないでしょうか?
それではその要である特別支援学級について、お母さん方が気になっているであろうことに焦点を当てて細かく説明していきたいと思います。

① どんな子が向いているの?

食事・排泄・着替えなど日常生活を送る上では問題はないけど、集団生活に溶け込むのが難しい子供に向いています。

感覚過敏のためガヤガヤとした状況だと授業に集中するのが難しかったり、授業中に落ち着かなくなってふらふら歩いてしてしまったり、集団でいるとぼーっとして勉強に遅れてしまう子供などがそれに当てはまります。

1クラス8人以下の少人数制であり、先生がマン・ツー・マンで指導してくれるため、そういった子供でも落ち着いて授業を受けることが出来ます。

② カリキュラムに遅れはないの?

特別支援学級では、子供のペースに合わせて授業が進んでいきます。
つまり、普通級のカリキュラムよりも遅れをとるケースもありますし、場合によっては進行が速くなることもあり得ます。
普通級のカリキュラムに遅れをとりたくないのなら、先生とこまめに連携をとりつつ、子供に無理のないように授業を進めてもらいましょう。

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③  どんな雰囲気?

特別支援学級には様々な学年の子供が在籍しています。
つまり、一年生も六年生も一緒に授業を受けています。
大きな小学校では、低学年と高学年の2クラスに分かれている場合もあります。
子供によって勉強範囲が異なるため板書ではなくプリント学習が主流で、普通級のような緊張感はなくゆったりとした空気で授業が進んでいきます。

④ 手続きの仕方

特別新学級への進学を希望するなら、あらかじめ市の教育機関に申請をする必要があります。
入学前年度の秋頃から申請の受付がはじまりますので、なるべく早くに情報収集を始めましょう。
夏前から学校見学をスタートすれば、余裕を持って子供に合った学校選びが出来ます。
学校ごとに見学日が定められているケースが多いですが、直接問い合わせれば指定日以外でも見学することが可能ですので、バタバタとしているうちに見学日が過ぎてしまったとしても焦らないでください。

⑤ 卒業後の進路は?

中学校の特別支援学級に進んだり、状態によっては普通級に進む子供もいます。

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子供のことを一番分かっているのは、教育機関でも医師でもなくお母さんと子供自身です。
行き詰まった時は、人の目や他人の意見などを気にせずに、一度じっくりと考えてみてください。
そして、自分と子供が最もしっくりとくる道をえらんであげましょう。
例えその選択肢が上手くいかなかったとしても、自分を追い込まないでください。
先の見えない未来を予測して行動するのは、とても難しいことなのです。

子供のために精一杯悩んで奮闘する日々は、いつか明るい未来に繋がるはず。
そう信じて、学校選びに勤しみましょう。

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