ホントに大丈夫?避難指示が続々と解除されている福島に行ってきた。

   

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避難指示が解除されている

福島第一原発から20-30キロにある市町村では
事故後、5年半経った今、続々と避難指示が解除されています。

「避難指示解除」というと
「福島の人、自分の家に帰れるんだね!」
「放射能とかもう大丈夫なんでしょ?」

・・・という声が聞こえてきますが

「ホントに「もう大丈夫」なの?」
自分の目で確かめるために、現在全村避難中の飯館村に行ってきました。

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現在全村避難中の飯館村

飯館村は標高500mの高地にある農村で
「DASH村」があった浪江町の隣の村です。

農業・酪農・畜産業・花卉栽培の技術が高い村で
村にある3つの山は「うつくしま百名山」に選ばれ、震災の前年2010年には「日本で最も美しい村」に認定されました。

まさに「里山」と呼ぶにふさわしい自然豊かな村だったんだな。という印象です。

黒い袋の正体

しかし、現在の飯館村は村に入ったとたん
あちこちに黒い袋が置かれていて、村全体が工事現場みたいになっている。

案内してくれた飯館村商工会青年部長の佐藤健太さんに話を聞いた。

「あの黒い袋は除染作業ではぎとった汚染土が入っているんです」
との事。

除染の基礎知識

「今更ですが、除染作業ってどんなことをしているんですか?」
と聞くと分かりやすく説明してくれた。

放射能汚染の方法は除染する物によって変わってくる。

建物や舗装された道路は高圧洗浄して表面についた放射能物質を取り除き
森林は草を刈り落ち葉を取り除いて
農地は表土(上のほうにある土)をはぎとります。

どの位はぎとるかというと
田んぼの場合、5cmから数十センチの土を重機で取り除きます。

土の中の放射能物質の80%は土の表面から5cmまでの間にあると言われています。

はぎとった汚染土は2層構造のフレコンバックに詰められます。
※フレコンバックの作りは漫画参照

フレコンバックは1枚ずつ作業員が詰めています。
作業員さんは、以前は完全防備でしたが、現在は思ったより軽装です。

詰められたフレコンバッグは「仮置場」で保管され
燃やせる廃棄物は昨年建設された「減溶化焼却施設」で灰にして小さくします。

この施設は山ひとつを切り開いて建設された巨大な施設です。
※総工費は400-500億円で、3-4年で焼却作業が終了したらとりこわされます。

汚染廃棄物を燃やして大丈夫?

汚染廃棄物を燃やして大丈夫かと不安になりますが
環境省は焼却炉に特別なフィルターを設置していて
放射性物質は99.9%除去できると発表しています。
(一部の専門家から疑問の声があがっています)

汚染土はどうするの?

土は焼却できませんが
汚染土もこの施設で化学処理や切処理をして
セシウムを分離させて「減容化」します。

8000ベクレル以下の「低濃度」のものは工事資材として再利用することが検討されていますが
これも専門家や県民から疑問の声があがっています。

高濃度の土と灰は?

セメントでかためるなどして福島市内の中間貯蔵施設に数年保管されて
30年に以内に県外につくられる最終処分場へ移される予定です。

でも、実は県外の最終処分場も県内の中間貯蔵施設も
現在、ほとんどの土地が確保できていない状況です。

だから今仮置き場に積まれた汚染土の袋はどんどん増えて「仮置き場」が増設されるへんな事態になっています。

いつこの黒い袋が村からなくなるのか?

当初は事故から5年で撤去されて田んぼや空き地の持ち主に土地が返されるということでしたが、約束の5年が過ぎてもこの状況だから、袋がすべてなくなるのは5年か10年か・・・分かりません。

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本記事は個人的体験談などに基づいて作成されており、脚色なども加えられている場合もあり、必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。この記事の情報を用いて行動される場合、ご自身の責任と判断により対応いただけますようお願い致します。尚、記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。
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