【光の届かない部屋で】第2話:孤独が育つ音 後半
元夫と過ごす時間はほとんどなく
寂しさを抱えたまま忙しさに逃げ込むようにして
いつしか「孤独に慣れた自分」を演じるようになっていました。
望まないことで傷つかないように
期待しないことで裏切られないように
そんなふうにして小さく畳んだ気持ちは、心の奥にそっと積もっていきました
その積もった静けさの中で、知らないうちに“孤独の花”は咲き
そして今回、そっと音もなく潰れていきます


意味もわからないまま、私は毎日自分を責め続けていました。
ただ元夫がいないこと、家族や友人に気持ちを話せなかったこと ――
そんな小さな“孤独”でさえうまく乗り越えられず
できることは少しずつ減っていき、
近所の友達にも会わなくなり、言葉もうまく出なくなり
人と付き合うことさえ難しくなっていきました。
かつては割となんでもできるタイプだったのに、
できなくなった自分が人に迷惑をかけている気がして
そのたびにまた自分を責めました。
仕事でも空回りばかりで、思うようにできない自分に落ち込み、
職場の人たちや友達との関係も、いつしかぎこちなくなっていきました。
<広告>
