担任の先生が“はずれ”だった!親がとるべき対応とは① 【先生の困った態度編】
幼稚園、保育園、小学校に通う子どもの親にとって、「担任の先生」は重要な問題です。
先生は子どもに大きな影響を与える存在ですが、残念ながら親は先生を選べません。
時には、子どもにとって“はずれ”な先生が担任になってしまうこともあります。
相性の悪い先生、えこひいき先生、親の意見に耳を傾けない先生…実際にこのような先生が担任になってしまったらどうしましょう?
そこでカギとなってくるのが、そんな「はずれ先生」への親の対応です。子どもは良くも悪くも親の影響をそのまま受けるため、先生との向き合い方ひとつで先生への子どもの態度もガラリと変わってくるからです。
本記事では、『保育園・幼稚園・小学校・塾…「はずれ先生」にあたったとき読む本』青春出版社刊より一部内容を抜粋して、親がとるべき対応をご紹介します!
子どもの大事な一年を無駄にしないためにも、ぜひ「はずれ先生」との上手な向き合い方を知っていただき、親御さんの気苦労を少しでも軽くすることができれば幸いです。
※イラスト・たはらともみ
親の意見に聞く耳をもってくれない“自信満々先生”の場合
新年度、親同士の話題といえばもっぱら担任の先生についてです。
前の先生と比べて今の先生に不満があったとしても、それも直接先生に言わなければ、解決することはできません。
だからといって伝え方を間違えると関係がこじれる原因にもなりかねます。
ある勇気ある母親が、子どものいる前で「先生、もっと子どもたちにきめ細かく指導してもらえませんか!」と捨て台詞を吐いて帰りました。
これでは、その場にいた子どもも先生も嫌な気分になってしまいますし、帰り際に言われても先生はその後どうすることもできません。
特にベテランの先生は、自分の指導法に自信があります。
そのため、親からの指摘や苦情にプライドを傷つけられ、そもそも聞く耳をもたなかったり、中には怒りだしてしまう先生もいます。
このような事態にならないために、親側から先生に要望を言う場合、注意点があります。
それは、「自分の不満を一方的に先生に伝えてしまうこと」です。先生に不満があり頭に血がのぼっていると、“要望を言って改善してもらう”という主旨を忘れてしまい、ただ自分の言いたいことだけをぶちまけて終わってしまいがちです。
しかし、文句を言う人の心理というのは、「言いたいことを言ってスッキリしたい」という気持ちと、「相手にこうなってほしい」という気持ちが入り混じっています。
ですから、本当は文句の中に“期待”も隠されているのです。
このような“期待”を感じ取れる文句であれば、先生側も少しは自分の指導を良くしていこうという気持ちになってくれます。
では、どのように先生に伝えるのがよいのか。
まずは、先生にきちんとアポイントを取りましょう。
それだけで先生も、話し合い当日はそれなりの覚悟で臨んでくれます。
また、話し合い中も親側の要求だけでなく、先生の言い分も聞こうとする姿勢を持つことも忘れないでください。
自分の要求を伝えることと、モンスターペアレントになることは全く別モノです。
先生側からモンスターペアレントと言われてしまう親は、伝え方が下手なのです。
自分の要求を通したい時には、いつも以上に言い方に神経を使うことを意識してみましょう。
※イラスト・たはらともみ
フレンドリーすぎる“お友達先生”の場合
言葉遣いも態度もどこか友達感覚な先生の場合、新年度スタート直後は親しみやすい先生として人気がでますが、だんだんクラスがまとまっていない感が出てきます。
そしてそのまま学級崩壊を招いてしまうことも…。
友達同士のような感覚で子どもと接している“お友達先生”は、子どもの位置に下がって一緒になって学ぶことで信頼関係を築き、良いクラス運営ができるという思い込みがあります。
その思い込みを正すためには、親から先生にきちんと子どもへの接し方を伝えるのが一番。
「先生、子どもの授業態度が悪いときは厳しくしつけてくださっていっこうにかまいません。」と、先生に威厳をもってけじめをつけて、子どもに接してもらうよう促しましょう。
親から先生への言葉遣いも友達言葉は一切使わず、正しい敬語を使うことで、先生と適度な距離感を保つことも大切です。
また、親からこのように言ってもらうことにより、「子どもと良い関係を築かなくてはならない」と気張っていた先生も肩の荷が降り、親たちの望みに逆行していた自分のやり方にハタと気づかされます。
そうすることで、優しくする時と厳しくする時のメリハリをつけた指導を心がけるようになるでしょう。
時には、このように親の希望を伝えることで、先生自身が成長できる場合もあるのです。
好みで態度を変える“えこひいき先生”の場合
えこひいきされる子どもの親はうれしいかもしれません。
一方で、わが子がえこひいきされない側だったら悲しいですし、親として先生に不信感を持ってしまいますよね。
好き嫌いで態度を変えるのは先生としてあるべき姿ではないのですが、先生も生身の人間です。
出来の悪い子ほど可愛いと思う先生もいれば、1を聞いて10響く子が好きな先生もいます。
さらに親が非協力的であったり批判的な態度の場合、その子どもはうとまれてしまうでしょう。
そんな先生への向き合い方は3つあります。
まずは、「共感すること」。
子どものダメな部分を共感しつつ、先生への感謝を伝えるのです。
たとえば、「うちの子、ドンくさくてパッパとできないタイプです。私も家でイライラしてしまうのですが、〇〇先生のおかげで遅々としていますが成長しています。
先生には感謝しきれません!」と(心になくても)声に出して伝えてみましょう。感謝されてうれしい先生はいませんから、「ああ、お母さんも家庭では私と同じ状況なのだな。」と親近感を持ってくれるでしょう。
二つ目は「手紙作戦」。
気持ちとしては出したくもないかもしれませんが、季節の挨拶の手紙はきちんと出しましょう。暑中見舞い、寒中見舞い、年賀状で親からの挨拶、さらに子どもからのメッセージもあると、もらった先生は幸せな気持ちになります。休み明けから、「メッセージをくれた子」として意識してくれるはずです。
最後は「プレゼント作戦」。
プレゼントといっても保護者からのお中元・お歳暮などの金品は受け取らない先生がほとんどですので、大げさにはせず、たとえば「息子とクッキーを焼いたのでよかったらどうぞ」などと、軽く渡せるもの
がよいでしょう。
多少やりすぎ感が出てしまうかもしれませんが、これぐらい好意的な態度で接すれば、先生も子どもへの接し方を変えてくれるかもしれません。
※イラスト・たはらともみ
最後に、一つ忘れてはならないのが、子どもへのフォローです。どんなに鈍感な子どもでも「自分は先生から嫌われている」と直感で感じています。ですから、子どもの前で「あの先生はえこひいきするのよ」なんて悪口を決して言ってはいけません。「○○先生は、あなたがもっと成長できるように思って注意してくれているよね」と、必ず子どもが先生に不安を感じないようフォローしてあげてください。
次回は、「しつけや勉強など“指導法”がよくない先生」への対応を伝授します。
●著者プロフィール●
立石美津子(たていしみつこ)
子育て本著者・講演家
20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動中。自閉症児の母。『一人でできる子が育つテキトーかあさんのすすめ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』など著書多数。
http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/
●書籍情報●
『保育園・幼稚園・小学校・塾…「はずれ先生」にあたったとき読む本』
立石美津子・著/青春出版社・刊
ISBN:978-4-413-03915-4
定価:本体1300円+税
http://www.seishun.co.jp/book/15335/
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