第2回「わがままで自己中なのは、プライドや自己表現の才能の芽」〜叱らないで!その短所、お子さんの才能です〜文:小鳥遊 樹 イラスト:air,

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※こんにちは、小鳥遊 樹(タカナシ イツキ)です。
これはお母さん達の子育ての悩みを、
会話形式で説明・解決していく子育てコラムです。
文中のエピソードや登場人物は、
筆者の経験を元に個人情報がわからないように変えています。
あらかじめご承知ください。

 

お母さまの子育てのお悩み

?:「どうしてうちの子って、わがままで自己中なのかしら?
目立ちたがり屋のくせに、妙に恥ずかしがり屋だし。
実力が伴わないのに自分の自慢話ばっかり。
自分の気に入らない子には妙に攻撃的で。
お友達にも上からものを言うし、
なんだか、優しくないのよね。
毎日、毎日叱りきれないんですけど…」

T:「待って待って、叱らないで!
その短所、お子さんの才能ですよ。」

?:「あらイツキちゃん、こんにちは。
うちの子の生意気は才能じゃないわよ。
一人じゃ何もできないくせに、単純にエラそうなだけなの。
自分の思い通りにならないと、すぐに不機嫌になるし。
先生にもタメ口きいたりするの、申し訳なくて。
地道な努力もしないのに、夢のようなこと言ったりするのよ。
ホントに腹が立つことが多いの。」

T:「いえいえ、そんなことはありません。
大切に育てるとプライドや自己表現の才能になります。」

 

その才能の特徴と小さいうちに短所で現れる特徴

◆一見すると短所に見えるけれど…

?:「自己中や大口叩くのが、どうして自己表現の才能なの?
イツキちゃん勘違いしてない?うちの子は口だけなんだってば。
それに見合う努力をしないのよ?」

 

T:「それはですね、
本人の中には表現したいものがあるけれどなんだか分からないからなんです。」

 

?:「え?だから実力もないし努力もしないのに偉そうなのだけ先にあるの?
そんなバカな。」

 

T:「面白いでしょう?でもそうなのです。
やっていることはともかく、プライドだけ先に来るんです。」

 

?:「何よそれ?変な話。」

 

T:「そうですよね。
特に、日本人は口に出さずに努力している人を褒める傾向にありますよね。」

 

?:「確かに。
口ばっかりの人って、ビッグマウスって言って呆れられたり嫌われたりするよね。」

 

◆大人がしてはいけない事

T:「でも、子どもの場合はイメージが先に来るのです。
ぼんやりとした夢や憧れですね。
そこに到達する実際の道のりとか努力って、
とりあえずどうでもいいんです。
そこを突いちゃいけないというか。」

 

?:どうでもいいってどういうことよ、イツキちゃん。
困るでしょう?
そんな叶うか叶わないかも分からない、夢みたいなことを言っているのは。」

 

T:「いいえ、そんな事はありません。
むしろ叶うか叶わないかのところで、
大人が現実化しようと画策すると良くないのです。
子どもは挑戦するのをやめたり、違う道に行ったりしてしまいます。」

 

?:「どういうことなの?
夢の応援をしてあげて、
現実化するための手立てを考えたりするのが親の仕事でしょう?」

 

T:「そうですね、確かに有効な時もあります。
ただあまり親御さんが熱心になって先に立ってしまうと、
子どもがたくさんの実験や失敗をする機会を奪われてしまうのです。」

 

?:「というと?」

 

T:「子どもが口にすることって、あくまでもふわふわしたイメージなんですよ。
でも、大人にはそのイメージにあてはまる職業やジャンルがあるでしょう?
それは現実世界で認知されているものですよね?
でも子どもは未知の世界を生きるのです。
だから大人がそこを目指して頑張らせてしまうと、
子どもが本当に欲しているものに到達しないのです。」

 

?:「新しいものが生まれないってこと?
ああ、だから威力や意欲に満ちているものが生まれにくいのね。」

 

T:「おっしゃるとおりです。
破格なものを生み出すためには、そうした遊びの精神が必要です。
でも丁寧に現存する型にはめてしまうと生まれないのですね。」

才能を育てるための実験だと思ったきっかけの経験

◆育てるべき才能の芽

?:「だから国の文化や産業に勢いがなくなっていくのね。」

 

T:「いい連想力ですね。
最近外国製の製品やシステムやサービスがすごく浸透しているでしょう。
それはあっと驚くような力を持っています。」

 

?:「確かに、見回すとそんなものばかりになっています。」

 

T:「だから、根拠のない自信とかプライドって大切に育てたほうがいいの。
どんな表現力になって現れるか分からないから。
ところで、この短所が才能の芽だと思ったきっかけを聞いて頂けますか。」

 

?:「聞かせて。面白そう。」

 

T:「私のアトリエに通ってくれるお子さんの中にも、
とても自我の強い子どもたちがたくさんいました。
その中でも一番印象的だった子の話です。

 

◆いつも何かに対して怒っている子

玄関を入って来る時からもうイライラしているのです。
そして授業中も文句がとても多いのです。
今日は学校であれにムカついた。これが嫌だったと。
大抵何かに対して怒っているというか。
そのうち怒る対象はなんでも良いのだなという事に気がつきました。
ただ怒りを撒き散らしたいというか。

 

他の子が喋ろうとしても、ずっと自分の話を聞いて欲しいのです。
私が言ったり作ったりするものにも、批判や批評が入ります。
他のお子さんに対してもそうでした。
当然注意することが多くなります。」

 

?:「あー、うちの子もそうよ。
料理もしないくせに、これマズイとか言うの。
思い出しただけでも腹が立つ、“自分で作れ”って話よね。」

 

T:「最初は私もよく注意をしました。
“人のことは良いの。自分の制作に集中しなさい。”とか、
“人の悪口って、回り回って自分に返ってくるのよ。”とか。
でも、なんか違和感があるんですよ。
怒られても響かないというか聞いていないというか、
次の瞬間には自分の自慢話をしたりしています。
そのうちまた怒り始めたりするのです。」

 

?:「それは私も分かる。
叱ったからと言って、反省するとかそういう事じゃないのよね。」

 

T:「よくよく観察しているとその子だけではなく、
自己顕示がものすごく顕著な子と、全くそうではない子といることに気がつきました。
外にがんがん自分を表したい子と自分の中にこもって集中したい子。
私はとても不思議に思いました。
どうしてこんなに大人しい子と、自己顕示欲の強い子に分かれるんだろうと。」

 

?:「うんうん、それで。」

 

T:「分かったのは、悪気がないんだ。
これはその子が持っている素質なんだということでした。」

 

?:「確かに、悪気じゃないんだよね。
でも、褒められたもんでもないっていうか。」

 

T:「あ、そこなんです。それ重要。」

 

?:「ん?何が重要?」

 

◆否定をせず、色々な見方を教える

T:ほめられたもんじゃないけど、認めてみるの。

 

?:「え?どういうことですか?」

 

T:「ああ、そこに気がついたの?さすがだね。って。
そういう考え方もあるのか、気がつかなかったな。って。」

 

?:「ええ?わざとらしくないですか?」

 

T:「そうですね、わざとらしくない方がより良いです。」

 

?:「…それ、難しいです。」

 

T:「分かります。
反復するだけでも良いですよ、言ったことをそのまま返すの。
これこれこういうことが気に入らなかったんだね。って。
自分の考えを認めて欲しいだけだから。」

 

?:「間違っていることを認めちゃまずくないですか?」

 

T:「間違っていると思うことを、正しいって言わなくて良いです。
それを聞いた他のお友達はどう思うかな?とか、
あなたが同じ立場に立ったらどう言う?と考えさせてあげるだけで。
あなたはそう感じるんだね。と認めてあげるだけで。
そもそも、人の感覚なんて同じではないですから。」

 

?:「自分と違いすぎてついていけないんですよね。
謙虚さがないと言うか。
自分が絶対って思っていると言うか。」

 

T:「例えば学校の先生ってよく子供からの怒りの対象になったりします。
自分の出来ないことは目に入らなくて、
先生の嫌なところばかり批評して文句を言ったとします。

 

そんな時は、“その先生って、私の友達のお子さんなの。
だから足りないところは助けてあげて。”って話します。
そうすると、びっくりしたような顔をしてピタリと止まります。
そう言うと、二度と言わないんです。

 

だから、誰かを傷つけたいわけじゃないんですよ。
自分の中の怒りがマグマみたいに湧き上がっているだけなの。
それのぶつける場所がないからイライラするだけなの。
だから否定をせずに他の見方を教えてあげます。

 

?:「すごい!そうすると偉そうな態度が直るのですね!

 

T:「いえいえ、直りません。
そんなに簡単なものじゃないんです、才能の芽って。
少しずつ他の価値観や才能を持つ人の考え方を教えてあげます。
否定せずに視点を変えることを覚えてもらうということですね。」

 

?:「はぁ、なるほど。
なんて酷いことを言うの?思いやりのない子は嫌い。とか、
自分はどうなの?と、言うのではないということなのですね。」

 

T:「おっしゃる通りです。
家族を小さな社会として考えてみると良いのです。
自分の子が、わがままを言っているから許せない。
今のうちに正しておかねばというのではなく、
そう考える人もいるよね、鋭いねって。

 

ところで、言われた人の立場で考えるとどうかな?って。
もしあなたが同じことを言われたら、どう思う?と、考えさせます。
優しく諭されると多様性を理解します。

 

◆否定が生み出すものは…

悪気がなく自己主張で言ってみたことを、
否定されて攻撃されると他の人も攻撃するようになります。」

 

?:「うーん、なんて難しいことなんだろう。」

 

T:「本当に難しいですよね。
でも、一線置いた感覚が必要です。
感情に感情で対応しない。
重箱の隅を突くみたいに正していってしまうと、
その子の尖った個性が、なりを潜めてしまいますから。」

 

?:「そうするとどうなるの?」

 

T:「自信をなくして自己表現をしなくなるか、
他の人をより攻撃するかどちらかになります。
逆らえない人に向かいますから、弱いものいじめですね。」

 

?:「うわー、どっちも怖い。」

 

T:「はい。
なので、尖った個性はより尖らせてあげた方が良いのです。
子どものためを思って丸くしようとせず。
丸くするのは、
自分が失敗を重ねる中で人や社会との折り合いをつけていきます。
それでもこの才能には、
自分には何かができると思う自信が必要なのです。
家族は、あなたなら何かを成し遂げられるから応援している。
そんな立ち位置にいれば良いのです。

 

?:「理解できるような、出来ないような。」

 

◆自己主張を認めると…

T:「自己主張を認めてもらった子は、
面白いもので他の子達にも優しくなれるのです。
アトリエの生徒さんでも上から目線でものを言う子だなぁという子が、
自分を認めてもらうと安心して謙虚になるんです。
不思議でしょう?

 

大きくなると自分の生かす道を追求しつつ、
私の面倒を見てくれている子がたくさんいます。
怒りを振りまいたことを覚えているので、その分優しくしてくれます。
そういう子たちは恐ろしく頼りになりますよ。
もちろん厳しい目も持っていますから、怖い存在でもあります。
鋭い視点やセンスや向上心があるから、話をしていてとても楽しい。
夢を語れる仲間にもなっています。

 

その激しい子も、今は大学を卒業して文章を書いています。
時々かわすラインのやり取りで、今考えている事とか教えてくれるの。
一生懸命生きているのを感じて幸せな気分になります。
どんな表現者になっていくか、楽しみにしているのです。」

 

◆才能を育てるための実験

?:「私は、イツキちゃんみたいに優しくなれない。
イツキちゃんだって自分の子どもだったらそんな風に見守れないでしょう?
というか、そんなにご立派な才能なら、
最初からプライドに見合う努力をすれば良いじゃない。
そうすれば私だってただ偉そうなとか言わないのに。」

 

T:「逆に散々自分が親子ゲンカをした立場だから分かるのです。
お母さんのおっしゃることもよく分かります。
でもプライドを満たすための自己表現を探すのって、
本人にも何をどうすればいいのかよく分かっていないところがあります。
だからあれこれわがままや批判を言ってみるのだと思うのです。」

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?:「自分がどこかに行きつくための実験ということですか。」

 

T:「実験とも言えるし布石でもあると思うのです。
自分が到達したい目標がどの方向か分からないけれど、
将来のために、あらかじめいろんなことを言ってみているのだと。」

 

この才能の芽を叱って枯らしてしまうと…

?:「でもね、私は召し使いじゃないのよ。
ご飯できたよ。と言っても、
ありがとうでもなければごちそうさまでもない。
何様なのって感じ。
人に対する気遣いは出来ないのに、
他人の批判と自分の自慢話ばっかりするのよ。
産んだ人の顔が見たいって、“鏡見ろ”って話よね。とほほ。」

 

T:「よく分かります、腹が立ちますよね。
でもね、正論で追い詰めても良いことないのですよ。
お子さんのプライドをペシャンコに潰したらどうなるか分かりますか?」

 

?:「え?もしかして余計にプライドが高くなるとか?」

 

T:「正解です。
しかも、努力はしない口だけのプライドが高い人になります。
チャレンジする勇気もないまま、
実はすごい人間なんだとかホントはもっと実力があるんだとか。
自慢話をしても、実際にやって見せることはできないのです。
内心は自信がない恥ずかしがり屋に育ってしまっていますから。
自分が世の中に出られなかったことを、
環境や時代や他の人のせいにしてしまいます。」

 

?:「それは手に負えない、でも確かにいるね。
ホントはこんな輝かしい才能があったんだけど、何々のせいで出来なかった。
そんな風に言う人。」

 

T:「自分のプライドや自己表現の才能を昇華できないまま、
挑戦する機会を与えらず大人になるとどうなるでしょう?」

 

?:「他の人を妬むとかですか?」

 

T:「おお、よくお分かりですね。
自分を出してあげたいのに出せない人は、愚痴や悪口や妬みが多くなるのです。
他人を酷評しこき下ろすことで、自分の眼力の高さを示すようになります。」

 

?:「ネットの中には匿名のそういう人がたくさんいて、
どうしてなんだろうと思っていたのですが、そういうことなんですね。」

 

T:「酷評や暴言・クレーマー、
妬みや恨みにエスカレートしていく場合もあるでしょう。
彼らのしていることは人の気持ちを傷つけることです。
でも本質は“こんな見方のできる、こんなことが言える自分はすごいしエライ、
誰か気がついて褒めて”という叫びです。

 

そうでなければ、ただの嫌な奴になっちゃいますから。
でも赤ちゃんの時から嫌な奴っていないでしょ?
どこかでそうならざるを得なかった理由があるのです。
頑張っている他人を批評することで、
頑張る機会を得られなかった自分の憂さを晴らします。」

 

?:「プライドを育てられなかった親が悪いってことですか?」

 

◆才能の育て方を理解する

T:「誰も悪い人なんていないんですよ。
子どもが生意気な口を聞いていたら、
“何も分からないくせに、お前は黙っていろ”と言うのが普通です。
何もできないのに偉そうなことを言っていたら、たしなめるのが常識です。
親御さんもそうやって育てられてきたんです。」

 

?:「イツキちゃんの考え方は、親も子どもも悪くない。
才能の育て方の理解がされてこなかっただけ、という考え方なのですね。」

 

T:「“罪を憎んで人を憎まず”という言葉があるじゃないですか。
何を言っているの?罪を犯した悪い人を憎まないってどういうことよ?と、
昔は私も思っていました。
誰も人を傷つけ、嫌な気持ちにさせるために生まれてくるわけじゃない。
みんな幸せになるために命がある。
それならば、どこから人を助ける人と傷つける人に分かれるんだろう?って。」

 

?:「努力して才能を開花させて生きてこられたかどうかですか?
挑戦する機会を与えられ資質を充分に生かして、
自分も幸せで他人も幸せにできているかどうかということ?」

 

T:「そうなんです。
罪を犯せば長期間牢獄に繋がれる。
悪口や嫌みを言えば、回り回って自分が人に嫌われ同じ目にあう。
こんな簡単なことは誰にでも分かります。

 

でもやらずにいられない、言わずにいられない何かがあるのです。
それは自分自身を生きていないということなのだと思います。
だから不満を周囲にまき散らしてしまう。
それほど自分を生かせない不満や苦しみは強いのだと思うのです。」

才能の伸ばし方のアドバイス

?:「人にぶつけずに自分のプライドを満足させられる努力をしろよ。って、ことなんですね」。

 

T:「でも、それは出来ないと思い込んでいるんです。
“お前には無理、お前には出来ない。”
“夢みたいなことばかり言っていないで、現実を見なさい。”
“口ばっかりでダメな奴。”などと、
小さいころから言われて育っていますから。」

 

?:「自分が翼をもがれていることに気がつかないんだ。
そうか、でも私もそうかもしれない。
心の底ではもっと何かができる能力があるとホントは思っているのに、
一歩を踏みだす勇気はないんです。
だからつい子どもの言動を評価してしまいます。
だから、あんたはダメなのよって。
ああそうか、そういうことなのですね。」

 

◆努力しても報われないこともあるけれど…

T:「やりたいことに挑戦するって勇気がいります。
恥ずかしい思いも、悔しい思いもいっぱいします。
精神的にも体力的にも、メチャメチャきつい思いもします。
しかも挑戦したら必ず報われるかと言えばそうとも限りません。
長年やってもダメで断念することだってあるんです。
親御さんは、安定した楽な道を進ませてあげたいって思いますよね。」

 

?:「そんなに苦労しても報われないこともあるんですか?」

 

T:「あると思います。
例えば同じ特訓をしたって、
試合で勝てるチームと勝てないチームがあるでしょう?
オーディションで受かる子と落ちる子がいます。
賞をもらえる人ともらえない人が出てきます。」

 

?:「ああ、確かに。
じゃあ、挑戦しても無駄だから安定した道を。と、
思っても仕方ないですよね。」

 

T:「今の社会で安定していることが、
未来の社会で安定していることにはならないですよ。
時代はどんどん変わっていきますから。
親や先生の価値観で、自分の人生を選んだら大変なことになります。
自分の心に聞いて、自分の意志で自分の道を選び歩む必要があるのです。」

 

?:「自分の意志で選んで失敗することが怖いんですよね。
先が見えないことに向かって、一人で歩いて行かなきゃならないから。」

 

◆前向きに自分の道を進む

T:「“ほらごらん、あの時私のいうことを聞いておけば”と、
言われるのって怖いですよね。
でもその時に報われなかったとしても大丈夫なのです。
どんなに報われなくても何度失敗しても、
ただ前向きに自分の道に向かって歩んでいれば道は拓けてきますから。
その人の夢にたどり着くまでに、時間のかかる人がいるんです。
それだけの経験を必要とする時間とでも言えば良いでしょうか?

 

私も夢に挑戦できるために必要な経験値は、
半世紀も積み重ねなければ得られないものでした。
早ければ良いというものでもなく、遅ければ怠け者ということでもありません。
叶えるために得なければいけないスキルの量や時期は人によって違うのです。

 

今は70才、80才になってから、
シニア作家デビューして夢を叶える人もいるでしょう?
自分が自分になるために、人の意見に耳を貸さなくても大丈夫なの。
答えは自分の中にしかないですから。
山のような失敗を積み重ねようと自分の人生なんだから、
誰からも非難される事なく自由に生きて良いんだという確信が必要です。
例え今世で叶わなくても、
来世に繋げれば良いと思える努力が生きる上で必要なのです。」

 

?:「なるほど。
そう考えれば、なぜ生きるのかという問いに答えが出せそうです。
この才能を花開かせていくために、
具体的には何かアドバイスがありますか?」

 

◆才能を伸ばすためのアドバイス

T:この才能を持つお子さんは、とにかく気が強いのです。
人がどう思うかより、自分がどう感じるかが重要です。
そのため、つい自己中心的な言動になってしまうのですが悪気はありません。
でもそこを攻撃され叩かれると、ものすごくストレスに感じます。
ストレスに感じると、他の人をいじめたり攻撃的に叩いたりするのです。」

 

?:「それは怖いですね。
ちゃんと昇華させてあげたいと思います。
その気の強さを理性でコントロールするためにはどうすればいいか?
親は子どもの夢を先走らずに、そちらを考えるのですね。」

 

T:「素晴らしいです。
どう考えればいいでしょうか?」

 

?:「自慢話も面白がって聞いてあげることですね。
夢が膨らむように発展させて話を聞いてあげるとか。
わがままで偉そうだと人格否定に走ったり、
言ったことができない時に嫌みを言ってはいけないということですよね。」

 

T:「すごい理解力ですね、恐れ入りました。
そうなんです。
明るくて華やかな才能なので、
“あなたの話を聞いているとすごいことができそうでワクワクするね”と。
にこにこして、認めてあげることが一番です。

 

そうすると根拠のない自信がついて、
“広い世の中で挑戦してみよう”って飛び立っていきますから。
挑戦して失敗したり成功したりする経験値を重ねることによって、
自分のプライドを理性でコントロールするようになるでしょう。」

 

?:「大口を叩くクセに努力しないところが嫌いで、
つい嫌みを言ってしまっていました。」

 

T:「努力をし始めるタイミングって人によって違うんです。
“大口を叩く”=“それに見合う努力をする”を求めない方が良いですよ。
本人の中でつじつまが合わなくなると大口を叩く方をやめてしまいます。
なぜかと言うと、自分に自信が持てなくなるから。
努力するのは巣立って行った、ずっと後かも知れません。

 

何も出来ないビッグマウスと思っても、勇気付けてあげることが大切です。
自分のプライドを満足させられるように、
自分の頭で考えて一から苦労をすることが大切なのです。
親の敷いたレールではプライドが保てないから。」

 

?:「本人のためと思って活躍できる舞台を用意してあげることが、
正解とは限らないってことなのですね。
手のつけられないわがままを言っている時に、
気分転換でうまく発散する方法がありますか?」

 

◆上手に発散する方法

T:「“自分を表現する”“スポットライトを浴びるようなこと”、“注目される”がイメージです。
どんなことがあるでしょうか?」

 

?:「ストレートにカラオケとかでどうですか?
確かにピアノやダンスの発表会とかも頑張りますね。」

 

T:「とても良いと思います。
ドレスや着物のような衣装も好きでしょう。
演劇やミュージカルのワークショップに行くとかも良いですよ。
お互いが好きであれば、親子でコスプレを楽しむのも盛り上がると思います。

食べ物だったら、色鮮やかな果実とかフルコースとか。
華やかなものや豪華なもの、正統派のものを経験し見せてあげてください。

ニュースだったらNHK、
音楽だったらクラシックみたいな感じです。
オペラや歌舞伎、劇団のミュージカルやお芝居も。

本物を知っているとか、教養がある・分かるって大事なことなのです。」

 

?:「なるほど。
プライドが満足するような人格に育てていくための、
知識や経験が必要というわけですね。」

 

T:「目が高いとかセンスがあると言われるような経験を積むことは、
多少面倒なことでも楽しんでできると思います。
プライドが高いって嫌なイメージで使われることが多いけど、
自分を大切にできて自分が一番と思えるのって素晴らしい才能だと思うんです。
俺ってすごい私って最高、だから自分は幸せ。
この幸せを周りの人にも何かの形で分けてあげよう。
そう思えるのであれば良いのです。
そうなって初めて他人にも優しくなれると思います。

 

アトリエでこの才能を育てる活動と言えば、
クリスマス会に演劇をするとか、バンドを組んでもらって演奏してもらいます。
歌や踊りの発表会もするんですよ。
東京の美術館に行ったり、ミュージカルを見に行ったりもします。
華やかな油絵を描くのも好きだと思います。」

 

お母さま達へのエール

?:「なんとなく分かってきました。
楽しんで挑戦してみますね。」

 

T:「この才能を持つお子さんのお母さまは、
お子さんのいう大げさな話や自慢話にうんざりして大変です。
そこを“実際に何が出来るの?もっと謙虚に”と叩き、
“実力なんてないでしょう?”と突くのは上手くありません。
“あんなこともこんなことも出来るかも知れないね。
夢や希望は無限大だもの、大人になるのが楽しみだね。”と、
是非根気よくこの才能を育てる子育てをしてみて下さい。

 

子どもは根拠のない自信を持って世の中に飛び立ち、
自分のプライドが満足するような自己表現を獲得しようと努力します。
それは、華やかな芸能や芸術の世界かも知れないし、
声や身体を使って何かを表現する仕事かもしれません。

 

文章や建築物などで自分の表現力を試そうとするかも知れません。
何かを起業するかも知れないし、この世にないものを欲しがるかも知れません。
努力が実るのには時間がかかりますが、
例え失敗の連続であったとしても親はただ応援し見守るだけで良いのです。」

 

?:「なるほど!よく分かりました。
どんな過程であれ結果であれ、
大きな夢を口にする気の強いあの子の応援団でいれば良いのですね。
今まで叱ってごめんね。と子どもに謝ります。
イツキちゃんありがとう!」

 

T:「こちらこそ!
話を聞いて下さってありがとうございます。
お子さんが心身ともにそばにいてくれるのは、
高学年になるまでの10年くらいであっという間です。
限られた時間を楽しくご一緒に過ごして下さいね。」

 

〜叱らないで!その短所、お子さんの才能です〜

第2回「わがままで自己中なのは、プライドや自己主張の才能の芽」を、

最後までお読み頂き、ありがとうございます!

 

わがままで自己中心的に振る舞うお子さんを、
ひかえめで空気が読めるように今まで一生懸命に叱ってきたお母様。
生意気でエラそうだと思っても、
叱らない方が良い訳をお分かり頂けたでしょうか?

 

このコラムでは叱らなければいけないと思っている短所の多くが、
そんな才能に成長するかをお話しさせていただきます。
次回は集中力がなく忘れ物をよくするお子さんの才能です。

 

ついついイラついたりムカついたりして怒ってしまうような、
お子さんの問題行動や直らない癖。
そんな短所に困っているお母様は、
「これってどんな才能なの?」と、質問してくださると嬉しいです。
出来るだけ状況を詳しくお書きくださいね。




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