ずぼら力ってなに?【子育ては「ずぼら」な方がうまくいく①】by 三浦直子
【ずぼら力ってなに?】
初めまして。フリーランス映像翻訳者の三浦直子です。
映像翻訳者って何する人?という方のためにざっくりと説明しますと、海外の映画やドラマの字幕を付けたり、日本語吹き替え版の台本を作ったりする仕事です。現在、小学生の息子を育てながら家で翻訳の仕事をしています。
なぜ翻訳者が翻訳の話ではなく、「ずぼら」の話をしているのか?それは、今まで仕事と主婦業を両立するために試行錯誤したすえに行きついた結論、「ずぼらになれば、うまくいく」ということを、世の主婦の皆さんたちにお伝えしたいと思ったからです。
世の中の主婦の気持ちをラクにしたいという思いから、このたび「ずぼらの極意」をお伝えする本、『「ずぼら」ママでも、結局すべてうまくいく!』を書きました。この本の内容をもとに、「ずぼらは決して悪いことではなく、ここち良く生きる知恵なのだ」ということをお話ししていきたいと思います。
ずぼらになればラクになれる!
今の世の中、なんだか「母親たるもの、仕事も子育ても頑張れ」みたいな風潮がありますが、いろいろ頑張ることを放棄してもけっこうなんとかなるもの。「頑張れ、頑張れ」というプレッシャーを感じて苦しくなっているママさんたちも多いはず。そんな頑張ってるママたちに、「もっとずぼらになればラクになれますよ!」と声を大にして言いたいのです。
今やすっかりずぼらライフが板についた私ですが、子育てが始まったばかりの頃は、一応育児書や、子育てに関するサイトなどの記事を読み、「子供の健康のためには栄養のある食事を手作りせねば!」とか、「きれいにせねば!」などと頑張っていました。
あれも、これも頑張ると疲れてしまう・・・
今の時代は本やインターネットでいろんな情報が入ってきますが、それらの情報に翻弄されて「あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ」なんてやっているとヘトヘトに疲れてしまいます。
最低限のことしかやらなくても意外となんとかなるし、疲れたら堂々と休んでもいい、一人で抱え込まないで周りの人を頼ってもいい。主婦業なんて、ただでさえ大変なんだから、自分が心地よくいられるように自由にやればいいんです。
「ずぼら」はサバイバルスキル!?
世の中の働くお母さんは本当に大変です。仕事では取引先や職場に気を遣い、家に帰れば家事に子育てにやること盛りだくさん。ひとつひとつに全力投球していたら身が持ちません。
そこで問われるのが「ずぼら力」。
すべてを完ぺきにやろうとせずに、どうしても気を遣わなければいけないところには遣い、手を抜けるところは極力手を抜く。ずぼら力とは「よけいなことを気にせず楽しく生きる力」。「ずぼら」はもはや恥ずべきことではなく、楽しく生きていくためのサバイバルスキルと言ってもいいでしょう。
【ママ雑誌の世界はファンタジー】
昔はバリキャリ向けのオシャレ雑誌だったのが、模様替えして働くママ向け雑誌になっているものも多いですね。そういった雑誌を読んでいると、キラキラしたママの存在がまぶしく思える時があります。紙面の中では「育児も仕事も充実!」とばかりにオシャレなママたちがにこやかにほほ笑んでいます。
ステキママのキャラ弁やら、オシャレな器に盛られたおかずが何品も並ぶ夕食のメニューが紹介されていたり。それにひきかえ我が家の、
「カレー、サラダ、以上!」
みたいなメニューを見ると、自分がダメ主婦であるかのような、ものすごい劣等感に襲われたりします。
ママ雑誌のステキ弁当・・・
雑誌の中で、「今日の息子のお弁当」なんて言って、伝統工芸品みたいなきれいな曲げわっぱのお弁当箱に、チキンの香草焼きに彩り豊かな野菜が添えられているのを見て、
「朝からこんなの作れるか!」
と思わずキレそうになりました。なにしろ我が家のお弁当は基本的におかずは夕飯の残り。しかし気を抜くとお弁当箱の中が真っ茶色になってしまうので、
きゅうりを切って緑、プチトマトを放り込んで赤を投入。
あとはお弁当箱の色を黄色とかハデな色にして彩りのひとつにしています。
息子が保育園の頃はキャラ弁がものすごく流行っていました。
テレビや雑誌でも、作り方やキャラ弁のカリスマなどが紹介されていました。海苔を細かく切ってご飯にキャラクターの絵を描いたり、食紅を足してご飯に色をつけたりと、もうお弁当というよりは図工の作品みたいになっているお弁当を見て、「それっておいしいのか?」というギモンが湧くこともしばしば。
我が家の「ずぼらキャラ弁」
我が家の「ずぼらキャラ弁」は、中に入れる仕切りや、おにぎりの包みをキャラクターの絵が入ったものにしたり、ウインナーにキャラクターの絵の描いてあるのを買ってきて詰めて「キャラ弁!」と認定していました。それでもけっこう子供って喜ぶんですよね。
そういえば先日、雑誌に「アクティブママの1週間のコーディネート」という特集が組まれていて、それを読んで仰天しました。「今日は子供の運動会の応援」というページに載っていたコートのお値段がなんと7万円! そのことを「これはいかがなものか?」とSNSでつぶやいてみたところ、「そんな人見たことない」と数多くの共感を得られ、「雑誌はファンタジーの世界だ」という結論に達しました。
そう、雑誌はファンタジーなんです!
あそこは夢の国。現実の世界に疲れた時にふと眺めて「ああ、まぶしい…」と非日常感を楽しむもの。ハリー・ポッターと比べて「どうして私には魔法が使えないんだろう」と落ち込む人がいないように、比べて落ち込む必要なんてまったくありません。堂々とずぼら道を突き進みましょう!
次回は「“ずぼら力”を活用する方法 子育て編」について、具体的なお話をしていきたいと思います。
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本記事は個人的体験談などに基づいて作成されており、脚色なども加えられている場合もあり、必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。この記事の情報を用いて行動される場合、ご自身の責任と判断により対応いただけますようお願い致します。尚、記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。