自閉症の子供と接する時に、頭に入れておきたい事。
自閉症の子供との接し方
自閉症は先天的な脳機能障害で、多動・言葉の遅れ・強いこだわり・感覚過敏といった特徴が見られます。
自閉症の子供を持つお母さんは、「どうしてこの子は他の子みたいに言うことを聞かないんだろう」「どうしてこの子だけいつまでも大声で泣いているんだろう」と思い悩み、自分を追い込んでしまうことが多々あります。
他の子と同じように考えてはいけないことは分かっていても、どう接してよいのかわからず、辛い日々を過ごされているのではないでしょうか。
ここでは、そんなお母さんの毎日が少しでも楽になるように自閉症の子供との接し方をわかりやすくご紹介していきます。
■自閉症の世界を知る
まずは、自閉症の子供の世界を理解しましょう。とても参考になる動画があります。
『自閉症の子どもが見る世界』
私たちは普段、自分の周りのあらゆる情報を無意識に処理し、一番に注目すべきことを判別しています。ですが、自閉症の子供は違います。
自閉症の子供は、情報量が多いと注目すべきことがわからず、目移りしてパニックになってしまいます。言うことを聞かないのは、お母さんの声ではなく別のことに意識がいっているからです。彼らはいつも、目標の見えない混沌とした世界を不安とともに歩んでいるのです。
そんな子供たちに優しく手を差し伸べ、不安まみれの世界から救い出してあげましょう。
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■分かりやすく何度も伝える
自閉症の子供は、多くの場合言葉の発達の遅れが見られます。
喋るだけでなく、言葉の意味を理解することも難しいです。加えて意識が逸れがちで、こちらの指示がなかなか伝わりません。
そこで、まずは短い言葉ではっきりと繰り返し伝えることを心がけましょう。
たとえば棚の上に登って降りて来ない時は、「怪我をするから」「壊れるから」といった理由は省いて、どうして欲しいかだけを明確に伝えます。「棚、登る、ダメ」などと一言一言をはっきりと発音するといいでしょう。
両手でバツのジェスチャーをすると、更に理解しやすくなります。
なかなか意思が伝わらないとつい感情的になりがちですが、怒鳴りつけるのは厳禁です。「お母さんを怒らせてしまった」という焦りだけに注意が向き、ますます指示が伝わらなくなってしまいます。
理解してくれるまで諦めず、穏やかな気持ちで何度も根気強く伝えるようにしてください。そして言うことが聞けた時は、目いっぱい褒めてあげましょう。
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■視覚に訴える
自閉症の子供は、耳よりも目からの情報の方が伝わりやすいといわれています。
よく使われるのが、絵カードです。「着替えをする」「歯磨きをする」といった日常の一コマを絵にして見せると、やってほしい行動がスムーズに伝わりやすくなります。絵カードはネットショップなどで買ってもいいし、子供の生活ペースに合わせてお母さんが制作してもいいでしょう。
絵カードをダウンロードできるサイトもありますので、参考になさってください。
『絵カードのおうち』
http://www.geocities.co.jp/NeverLand-Mirai/9569/
また、ショッピングモールや習い事先など、よく行く特定の場所は写真に撮っていつでも見れるように置いておくことをおすすめします。
初めて行く場所は、あらかじめインターネットで画像を見せ怖くない場所だということを認識させれば、パニックを予防することが出来ます。
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■見通しを明確に
自閉症の子供は予定がわからないと不安になり、パニックになりがちです。
パニックを未然に防ぐためには、一日の予定をあらかじめしっかり把握させるといいでしょう。
そこでおすすめするのが、ホワイトボードを使った予定表です。
時間を書いたホワイトボードに絵カードで作ったマグネットを貼って、一日の流れを分かりやすく教えます。
例えば9時のところに幼稚園のマグネットを、12時のところにお昼ご飯のマグネットを、14時のところにお迎えのマグネットを貼るといった具合です。
時計が読めない場合は、文字やイラストで時間が分かるようにしましょう。
夜寝る前、朝起きてすぐ、という風に予定表を確認する時間を決めておくと、より安心に繋がります。
■ダメなことはきちんと注意する
自閉症の子供は見えている世界が私達と違うとはいえ、住んでいる世界は一緒です。
気持ちを理解することは大切ですが、社会で生きていくためのマナーだけは粘り強く教えましょう。
親として一番辛いのが、他人に噛みついたり叩いたりする他傷行為です。
感情のバランスが崩れた時も他傷行為にだけは走らないよう、これだけは厳しくはっきりと注意をしましょう。
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■それでもパニックになった時は
あらかじめ対処はしていても、それでも思いがけずパニックが起こることがあります。
匂い、音、場の雰囲気など、自閉症の子供を惑わせる要因は世の中に溢れていて、手の尽くしようがないこともあるのです。
そんな時はひたすら見守り、子供の気持ちが落ち着くのを待ちましょう。とはいえ、公衆の面前で暴れる子供を傍観するのは、周りの視線を感じて辛いものですよね。
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■決して自分を責めない
どんな躾をしてるんだ、という周りからの心の声が否が応にも胸に刺さります。
けれども、決して自分を責めないでください。
あなたが悪いわけでも、子供が悪いわけでもありません。あなたの気持ちを分かってくれる人は、必ずどこかにいます。
穏やかな気持ちで、子供が泣き止むのを待ってあげてください。
そして子供が泣き止んだ時は、「それじゃあ行こう」と優しく手を握りしめてあげましょう。
大事なのは、どうしてあの時パニックになったのかを後々考えることです。対処法を練れば、次回はあらかじめパニックを防ぐことが出来るでしょう。
自閉症の子供の言動は不可思議でも、必ず理由があります。
その理由を知り、その子に合った接し方を見つけましょう。
とても根気のいることですが、努力を重ねれば驚くほどに毎日が楽になることもあります。大事なのは、お母さんが何もかもを一人で背負い込まないようにすることです。
専門機関に相談したり、同じような境遇のママ友と話をしたり、美味しいお菓子を食べたりして、時には息抜きをするよう心がけましょう。
⇒「自閉症くんの母、やってます]
を読む!
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本記事は個人的体験談などに基づいて作成されており、脚色なども加えられている場合もあり、必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。この記事の情報を用いて行動される場合、ご自身の責任と判断により対応いただけますようお願い致します。尚、記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。