「それも立派な寄り道です」
家の鍵を忘れてしまい、帰宅しても家に入れなかった小学3年生。
寒さをしのぐためコンビニで時間を過ごしていただけだった。
誰にも迷惑をかけないよう考えた行動のはずなのに、先生から返ってきたのは思いもよらない一言だった。
* * *

この時、がっちり肩をつかまれ、
顔を近づけられました。
視界に映るのは、
目を見開いて怖い表情を浮かべる先生だけ。
「逃げられない」
本能的にそう感じたのを覚えています。
恐怖で呼吸がうまくできませんでした。


途切れ途切れになりながら、
やっとの思いで理由を話すと
「それも立派な寄り道」
先生はそう、
冷たく言い放ちました。

「立ち読み」という言葉を聞いて、
一層ざわつく教室。
コンビニでクラスメイトに声をかけられた瞬間、
本のコーナーにいたことが
よくない方向で伝わってしまったようでした。
すると先生は、すかさず

突然先生が声をかけたのは、
私が一番仲良くしているAちゃんでした。
急に話しかけられたAちゃんは、
戸惑いながらも答えます。
大人からそう聞かれたら、
ほとんどの子どもは「NO」と答えると思います。

とても嬉しそうな先生。
みんなの視線が集まる中、
私はうつむいて謝ることしかできませんでした。


この経験から私は、
鍵を忘れたときは家の前に座って待つことにしました。
それから間もなく、
家の前で座って待つ私を見つけた母が、
庭に予備の鍵を一つ隠してくれるようになり、
鍵を忘れて困ることはなくなりました。
そんな鍵騒動も落ち着いた頃 ――
