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のんびり幸せに暮らしていたあの頃~とんでもねぇスキルの父~【バラバラになった家族②】 by ワンタケ

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以上「「とんでもねぇスキルの父」のお話でした。

 

【川に生息する野人系ユーチューバーみたいな父】

 

川や山を愛し、また知り尽くしていた父は、他の人が追い付けないような技術と身体能力を持っていました。

川に行けば川魚を釣り、自分で編んだ網で獲り、ペットボトルを仕掛けてウナギを獲り、増水があれば打ち上がったワカサギを拾いに行く。川釣りが解禁になると、川釣りの会員だけが被るキャップを深く被って釣りを楽しむ姿が、子供ながらにカッコ良く見えたのを今でも思い出します。

山に行けば自然薯を掘り、良い木があればそれを加工して自分用の木工品(魚を獲る手網)なども作る。出来の良い木工品を見た人から「いくらでも出すから譲ってくれ!」と言われる程だったにも関わらず、父は「売るために作っている訳じゃないから他を当たってくれ」と突っぱねていたこともありました。

 

今思えば、「ガンコ親父の山暮らし川暮らし‼」みたいなYouTubeをやって、「ガンコ親父の木工品」をメルカリとかでバンバン売っていれば、家族はバラバラにならなくて済んだかもしれないけれど、おそらく性格的にやらないだろうと思います。

父には野心や競争心が著しく欠如していて、バイクの関東大会で優勝して新聞に出た時も、全く嬉しそうではなかった。

なんでもできるのに、いつもつまらなそうに酒を飲んでいたのです。

 

【男性社会ってソレがないと割と辛いんじゃないかな?】

 

野心や競争心が欠如しているのは私も同じで、勝った負けたがものすごくつまらなく感じる性分です。それはある意味ラクだけど、前時代の男性社会に生きている人にとっては「ソレが無いと辛いんじゃなかろうか?」と思います。

父はベビーブーム期・競争社会のド真ん中世代。勝ち負けに興味が無い人にとってはとてもつまらない時代だったのでは?と思います。

学生運動をただぼーっと眺めていた話も聞いた事があるし、スポーツをして勝っても面白くない。パチンコもやったけど1年帳簿をつけてプラマイゼロでつまらなかったと言っていた事がありました。(帳簿を付ける時点で楽しみ方を間違っている気もする)

唯一楽しそうに見えたのは、料理をふるまっている時。河原で大勢でバーベキューをした時に、50人に自作のラーメンを食べてもらった時が一番充実した顔をしていたように思います。

「じゃあ飲食店やれば良かったんじゃね?」とも思うけれど、冷凍はダメ・揚げたて一番・かつをぶしを削って出汁を取る、など異常なこだわりがあったので、商売として採算が合わないどころか、そのこだわりこそが家計を圧迫していたという始末でした。

でも小食だった(特に甘い物は一切食べられなかった)私は、その父のこだわりの食育と料理によって、どんどん食べる事が好きになっていき、現在の食いしん坊将軍と相成ったのです。現在進行形で食への執着がヤベェ。。

 

という訳で次回「ババァの罠」に続きます。

以上「煮込み料理を作るのは好きだけど、あら熱っていつまで経っても取れなくね?」と思っているワンタケがお送りしました^^

 

つづく

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