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私たちの目の前で一度だけ父が言った言葉~足滑らせて頭打て~【バラバラになった家族⑦】 by ワンタケ

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以上「足滑らせて頭打て」でした。

 

【父がカッコ良かったのはこれが最後】

 

従妹の家から帰って来てから、妹と「お父さん、カッコイイ事言ってたね!」「あんな事思ってたんだね!」と父がいない所で熱く語り合いました。

今思えばもしかしたら、父がいる所で言ってあげれば良かったのかもしれない。

それまで私達が「父が何を思っていたか」を知らなかったように、父も我が子の気持ちを未だ知らないままのような気がします。

私も妹も父の事が大好きだったけれど、きっと一度も言葉にはしていない。
愛情を感じていながらも、愛を言葉にしない家族だったために、自分自身も言葉にして伝えるという事を知らなかった、気恥ずかしかったのかもしれません。

 

【言葉で伝えた事は消えない】

 

大人になって家庭を持った今の私は、夫やムスコに言葉にして気持ちを伝えています。日本男児からノリノリイタリア人に生まれ変わったかなっていうくらい変わりました。

ムスコにとってはそれが当たり前になり、喋れるようになってからは周りの人に言葉を使って愛情表現をしてくれるようになりました。

きっとムスコは大きくなるにつれ口数は減り、言葉も態度も変わっていくんだと思いますが、それでも今まで貰った言葉は私の中でずっと消えません。

 

あの時の父の言葉も未だ消えませんが、それだけでは修復ができないくらいに関係は悪化していきました。言葉だな…私からの言葉が足りなかったんだな…と今これを書いていて改めて思います。

父にとって「娘からの愛」は、幼少期に作った折り紙のケンタッキーのセットや肩たたき券だけだったのかと思うと、なんだか本当に不甲斐ない。「もっと言葉を贈れば良かった」と今、涙が出て来ましたが、「贈る言葉」というフレーズにより頭の中に武田鉄矢の笑顔と長髪が浮かんできたので先へ進みます。

 

【どこの家もいろいろあるねぇ】

 

従妹の父は日常的に酒を飲んでは妻や子供に声を荒げる事が多かったようです。「もう絶対に離婚をする!」とか「とりあえず持ち直した!」などと二転三転いろんな時期がありましたが、現在は夫婦で仲の良い老後を迎えています。(確かお酒は辞めたはず)

逆にウチは「仲の良い夫婦」という印象があったようなので、最終的な顛末を事後報告した際は母方の親戚みんなが驚きました。

 

母方の親戚だけで見ても、本当に夫婦間、家族感でいろんなことがあって「逆に平和な家族ってどこにいるの?」とさえ思います。言わないだけでいろいろあるのか、それとも私の知らない所に真の平和な家族が潜んでいるのか…?

 

という訳で次回「家族全員甘え下手」に続きます。

以上、近所の定食屋のホームページで「今日の日替わり定食」をチェックすることを欠かさないワンタケがお送りしました!

 

~第一話はこちらから~

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