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親も夢中になってしまう本当におすすめの絵本!「ちいさいおうち」BY高野優

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“子どもはお父さんやお母さんが読んでくれる絵本が大好きです”

子どもが幼いころ、子育て支援センターで、そう教わった。 確かにそのとおり。わが家の娘たちも、絵本を読むときは母親を独り占めできる時間とばかりに、膝を占領した。

あるときは、長女を右の膝に、次女を左の膝に、そして三女を背負いながら。サーカスなみの技だなぁと苦笑いしながら、せがまれる絵本を読んでいた。時々、こっそり飛ばし読みをしながら。

「一人でゆっくりと好きな本を読みたいなぁ…」
そんなことを、ぼんやりと考えたりもした。

正直なことを言うと、疲れているときに絵本の読み聞かせをするのは、結構めんどう。

それなのに、小さな人差し指をぴょこんと立てて、「もっかい! もっかい!」とせがまれると嫌とは言えず、しぶしぶ読むことに。

ほとんどの絵本では、もう一回とリクエストをしておきながら、じっとしているのに退屈するのか、膝の上でもぞもぞと動きだす。それなのに、はじめからおわりまで真剣に見つめる絵本がある。

そのタイトルは、『ちいさいおうち
すこしずつ変化していく舞台を、ただただ見つめる子どもの姿に、戸惑うやら感心するやら。

私自身、どうしてか分からないけれど、この絵本だと何回リクエストをされても、「ま、いっか」という気持ちになる。

心に余裕がなくていらいらしているときでも、ページを開くたびに気持ちが晴れていくのがわかる。そこにあるのは、どこまでもゆったりとした想い。

季節や時間のうつろいを、ここまで鮮やかに表現できるなんて!
子どものために読んでいるはずが、いつしか私自身が夢中になり、細かいディティールを食い入るように見つめてしまう。

絵本を読むことがちょっと面倒だなぁ…なんてぼやく方に、おすすめの一冊。

「一人でゆっくりと好きな本を読みたいなぁ…」
その日は思っていたよりも、ずっと早くきた。

あんなに暑苦しかった私の膝は、時々、猫が気まぐれに乗ってはあくびをするくらい。
振り返ってみると、暑苦しいくらい子どもがまとわりついて、絵本をねだるときこそが、黄金色に輝くしあわせな時間だった。

もう一度、膝の上で絵本を読みたいなぁ…。私の背を越えた娘の後ろ姿を眺めながら、しんみりとそう思う。
ちいさいおうち

静かな田舎に、とても頑丈に作られた小さなおうちがありました。
豊かな自然に囲まれていましたが、おうちの周辺も都市化が進み、ついには高層ビル にはさまれてしまいます。
そこに、女の人が通りかかり……。
『ちいさいおうち(バージニア・リー・バートン作・絵 石井桃子訳 岩波書店)』 
かけがえの ない大事なものに気づかせてくれるおすすめ絵本です。

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本記事は個人的体験談などに基づいて作成されており、脚色なども加えられている場合もあり、必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。この記事の情報を用いて行動される場合、ご自身の責任と判断により対応いただけますようお願い致します。尚、記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。
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