第13回 虫を平気で殺す子は親としてどうしたらいい?!「残酷で気持ちが悪いのは、強固な意志と未知の世界を探求する才能の芽」〜叱らないで!その短所、お子さんの才能です〜 文:小鳥遊 樹(たかなし いつき)  イラスト:air,(エア)


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※こんにちは、小鳥遊 樹(タカナシ イツキ)です。
子どもの造形絵画教室を主宰して24年目になります。
これはお母さん達の子育ての悩みを、
会話形式で説明・解決していく子育てコラムです。
文中のエピソードや登場人物は、
筆者の経験を元に、個人情報がわからないように変えてあります。
あらかじめご了承ください。

【お母さまの悩み】

 ?:「どうしてうちの子って、残酷なことを平気でするのかしら?
いきなりアリンコをバンバン踏み潰したり、トンボの羽をむしってみたり。

 

“どうしてそんなことをするの?命を大切にしなさい”って叱るんだけど、
どうも心に響いているような気がしないの。

 

それに、いろんな液体とか粉とか混ぜてどうなるのか実験しようとするし。
なんかちょっと得体の知れない感じがして怖いのよ。

 

自分の子どものことをそんな風に思いたくないけど、
気味が悪いから叱ってばっかりなの。」

 

T「待って待って、叱らないで!
その短所、お子さんの才能ですよ。」

 

?:「あらイツキちゃん。
うちの子の残酷なのは才能じゃないわよ。
単純に命を大切に出来ないだけなの。
人として何かが欠けているのよ。」

 

T「いえいえ、そんなことはありません。
大切に育てると、強固な意志や未知の世界を探求する才能になります。」

 

?:「あのね、イツキちゃん。
そんな大層なものなら、もっと勉強するはずよ。
あの子のやっていることは、単純に命を奪って面白がっているのよ。
異常だわ。
将来犯罪者になったらどうしよう?」

 

T「そうやって異常とか残酷とか気味が悪いと扱うと、
本当にそういう性質になってしまいますよ。」

 

?:「どう考えれば良いってことなの?
私だって、変な心配をしないで済むならその方が嬉しいわよ。」

 

T「そうですよね。
お母さんのご心配もよく分かります。」

 

?:「そうなの。
きつく叱ってもニヤニヤしているっていうか。

 

心から悪かったと反省している感じがないのよね。
自分の産んだ子どもなのに、考えていることがよく分からないのよ。」

 

T「子どもは本当に悪気があってやっているわけではないんです。
だから怒られても何が悪いのかよく分かりません。」

 

?:「意味もなく生き物の命を奪うなんて悪いことに決まっているじゃない。」

 

T「本当にそうでしょうか?
今でこそ、いろいろな物がスーパーでトレーに入って売られていますが、
ほんの一昔前まで、飼っている鳥や家畜をさばいて食べていたんですよ。

 

戦時中や戦後で食料のないときは、
スズメや昆虫、ヘビやカエル、蜂の子だって貴重なタンパク源でした。
国によっては大切に飼って育てているものや身の回りにいる生物の命を、
今もそうして感謝して有り難く頂いている文化はたくさんあります。」

 

?:「だって、それは食料なのだから仕方がないでしょう?」

 

T「子どもにそんな区別はつきません。
食べられる生き物かとか、猛毒がある生き物かなどの常識も、
多くの経験や実験の末に知られている事実なのですから。」

 

?:「だから、そうしてしまうのは本能だということ?」

 

T「ただの興味なのですよ。
生きる社会が変われば、ルールも常識もまた変わるのですから。」

 

?:「ああ、確かに。
イルカやクジラを食べる国もあれば虐待だと言う国もあるし、
猿や犬を食べる文化もあれば野蛮だと非難する文化もあるものね。
ヘビやワニをご馳走と思う国だってあるんだし。」

 

T「なんとなく常識だと思い込んでいるだけなのです。
本当は何が正しいことという絶対的な価値なんてないのですよ。」

 

?:「だからイツキちゃんは、私の嫌悪感だけで、
子どものやっていることを気持ちが悪いと非難するなということね。」

 

T「他のお子さんよりそういうことに興味があるのは、
素晴らしい才能の芽だと思うのです。」

 

?:「そう言われてみれば子どもが踏み潰すのは許せなくても、
大切なバラの害虫なら、私も躊躇なく殺せるものね。」

 

T「昔は子どもが試すことができる自然環境ってたくさんあったんですよ。
オタマジャクシもカエルも捕まえ放題。
蝶やトンボ、カブトムシも。
家で飼っているものに生き餌を食べさせたりもしました。
昔であれば、罠を仕掛けて小動物を捉えて食べていた訳でしょう?

 

どんなに捕まえたって、
お前は残酷でどうのなんて非難されることはありませんでした。
今の子どもたちはそういった実験の場もないわけです。」

 

?:「今そんなことをするそぶりを見せたら、
例えば矢ガモとか発見されると虐待だと大騒ぎです。」

 

T「解禁された鴨猟や鹿や猪狩りをするのは許されていて、
捕まえて殺してみようとする実験は犯罪者のような扱いを受けるでしょう?

 

この様な行為を非難する一方で、
みんな牛肉などは有り難がって食べるじゃないですか。
自分のやっていることは正しいと思い込んでいる人は、
異常だと判断したことを必要以上に非難してしまうのです。
これは食用だから殺して食べて良いなんて基準は、本当はないのですから。

 

私がこの短所が才能の芽だと思った、
きっかけを聞いていただけますか?」

 

【才能の芽だと気付いたきっかけ】

 ?:「ぜひ聞かせてちょうだい。
何とかして、良い方向へ導いてあげたいと思うの。」

 

T「私が主宰するアトリエでも、
“死体”とか“殺す”とかに興味を持つ子はいるのです。
動物が獲物を捕らえて食べている場面を描きたがったり、
戦いの場面や人が死んでいる事故現場を作りたがったりという形で現れます。」

 

?:「それって困るでしょう?どうしているの?」

 

T「芸術の中にはもともとそういう題材は結構あるのです。
動物の本能に従った生態や人の残酷な部分とか、
触れてはならない闇や欲を描いたような作品ですね。」

 

?:「戦争の絵なんて死体がいっぱい描いてあるわね。」

 

T「地獄絵図の拷問とか、罪人の処刑の図とかですね。
怖い絵を題材に作品展が開かれるくらいです。
そういった興味を持つ子供を、
気味が悪い子たちだとは全然思えなかったんですよ。」

 

?:「どうして?」

 

T「確かに一見残酷だと思えるものに興味を持つ子はいるのです。
でもずっと長い間の成長を見ていると、
次はファンタジーの世界に惹かれ、次は宇宙に惹かれと色々な興味が出ます。
普通に優しい素敵な子たちです。」

 

?:「そこに留まらないってことですか?」

 

T「あくまでも興味の一環なのですね。
それで気が済めば他のものに移りますし、人体にもっと興味を持つ子もいます。

 

興味の先にある理解のために外せないことってあると思うのですよ。
才能が故の、“見たい知りたい”という意欲です。
画家も動物の解剖を写生したりもしています。

 

爬虫類がすごく好きとか、解剖の話をしたがる子もいます。
一方で、そうした話は聞くのもイヤという子もたくさんいました。
興味を持つ子と持たない子になぜ分かれるのだろうと、
ずっと不思議に思っていたのです。

 

アトリエでは小さな子も多いですし、
希望があっても流血や殺人の現場を作るのは遠慮してもらっています。
想像力の豊かな子や共感能力の高い子は、
血が出ている場面を見て連想してしまい、本当に気分の悪くなる子もいますから。

 

いろんな子どもたちの成長を見ていると、
そういう分野に興味を持つ子たちって頭の回転が早くて意欲があるのです。
中学生くらいになるともう、私の方が教えられることが多くなります。
科学とか宇宙とかに興味を持つ子達ですね。

 

お子さんの残酷さは、一見すると短所に見えます。
けれど、実は未知への探求の才能になるということをご理解頂きたいのです。

 

【才能の特徴と対処法】

この才能の特徴(短所として現れる)

・残酷

・気持ちの悪いものが好き

・殺人や犯罪に興味がありすぎる

・人の嫌がることをする

・冷酷

・執着する

・支配しようとする

・危ないことをしようとする

・血に興味があリすぎる

・なんとなく気味が悪い(闇が深い)

 

短所に見える状況の対処法

T「せっかく芽生えた興味なのに探求することを許されず、
子どものくせに気味が悪いと怒ってしまうとどうなるか分かりますか?」

 

?:「罪悪感を覚えますよね。
科学や医学の世界に昇華するのではなく、
もっと残酷な世界に興味を持つということですか?」

 

T「才能として昇華できずに、無理矢理抑え込まれるわけです。
“人を殺してみたかった”という事件ってあるでしょう。」

 

?:「小さい時に生き物の生死に対する興味を叱られ抑えこまれたので、
行動が自由になる大きくなってから実験を再開したってことですね?」

 

T「やってしまった後でどうなるか?という理性が育っていれば、
まずできない行為です。
のちのち一生に背負うリスクの方が高すぎますから。

自分に対しても周囲の人に対しても、社会的常識が育っていればできないです。

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また、人に対する愛情が育っていれば抑えられる衝動ですよね。
心から愛されて育ち、
人を傷つけることの痛みや怖さを理解できればしないはずです。
こうした犯罪を犯してしまう子は、
理性も愛情もどちらも与えられなかったのではないのかな?と思うのです。

 

もっと正確に言えば理性や愛情を育てたいがために、
余計に厳しく叱り遠ざけたという感じでしょうか?
親御さんには不気味なだけで、
才能の芽として理解できなかったのだろうと思うのです。」

 

?:「だけど、そのままじゃ困るでしょう?
どうすれば良いんですか?」

 

T「もちろん命をむやみに奪うことを褒めることはできません。
けれどダメだと思うことを厳しく叱責するのではなく、
才能の方を伸ばしてあげるのです。
なぜそういうことに興味があるんだろう、不思議だね。
それであなたはどんな事が知りたいのかな?と聞いてあげる事ですね。」

 

?:「ギャーギャー大げさに騒がないって事ですね。」

 

T「例えば大人になってから、
災害現場で遺体を回収し、然るべき処置するお仕事や、
検死をするお仕事だってあるでしょう?
動物実験をする企業に就職する場合だってありますよね。

 

外科の手術や看護の現場など、
死体や血が気持ち悪いと騒いでいたらできない仕事だってあるわけです。
小動物の死体をじっと冷静に観察するような行為を
気味が悪いと責めないで欲しいのです。」

 

?:「そういった素質がある子たちにとっては、
私が気持ちが悪いと思う行為も、
そんな異質なものではないという事ですね。」

 

T「子どもの日常に無いような、
変なことをしたり言っているなと思ったら、
なんのための行為なのか興味なのか?
愛情を持って考えてあげて欲しいのです。」

 

?:「異端視しないということですね。なるほど、気をつけます。
こう言ったことに興味を持つ子のエネルギーの発散の仕方って、
何かあるんですか?」

 

エネルギーの発散方法

T「はい、いろいろあります。
今どきはネットの動画でかなりなところまで知る事ができます。
捕食や屠殺なども見る事ができます。」

 

?:「そんな過激なものを子どもに見せるのですか?」

 

T「いえいえそうではありません。
事実を知ろうと思うと、かなりのことまで情報の入手は可能だという事です。
大切なのは興味を持った事実を調べ、自分の頭で考える癖を持つ事です。

 

ネットでもいろいろ調べられますし、
もっと学術的にならば図鑑や科学博物館に足を運ぶのも良い発散方法です。

 

また、鳥一羽を丸ごと料理させてくれるような料理教室に参加してみるとか、
魚の捌き方を教えてあげるとかも良いですね。
釣ったお魚を焼いて食べてみる経験も命を身近に感じる事ができるでしょう。
もちろんいろんな昆虫や動物の飼育も効果があります。」

 

?:「私は無理だからパパに頼んでみようかしら。」

 

T「交尾や孵化などを実際に見ることは興味をもつ上で大切な事でしょうし、
NHKテレビの動物ドキュメンタリーの番組などでも見る事が可能です。

 

生物だけではなく科学全般に興味を示すはずですから、
科学実験のワークショップや天体観測の会に足を運ぶのも良いですね。
ロボットやパソコンにも興味をもつと思います。
AIや3D、プログラミングなども試してみたらどうでしょうか?」

 

?:「興味がないから、およそ足を向けない分野です。
私と子どもは別人格ですものね、考えてみます。」

 

 

アトリエの授業では

T「私の主宰するアトリエでは、
発表はご遠慮いただいているのですが、“良いよ、描いてごらん。”と伝えます。
美術解剖学の中には骸骨や筋肉、血管、内臓の絵もありますので、
こういうものも模写してみたらどうかな?と情報を差し上げます。
続くのかなと思うと、しばらくすれば次に興味が移っていきます。

 

おにぎりがウンコになるまでを図にしてみるとか、
剥製を借りてきて描いたりもします。
昔はどこの家にも剥製って結構ありました。

 

ダーツやゴム鉄砲のように的を射るものもオススメです。
危険生物カルタとか罰ゲームカードとかも大好きです。
ちょっと攻撃的でタブーとされているようなものですね。」

 

将来に活かせる道

?:「なるほど、ついつい清く正しくにしてしまいます。
こういった才能は具体的にどんな職業につながるのでしたっけ?」

 

T「例えば科学者、医者、解剖学者、裁判官、警察官、
葬儀社、戦士、納棺師、モデルガン製造、軍事評論家、
戦場ジャーナリスト、天文学者、宇宙飛行士、爬虫類ショップ経営、
政治家、統治、精肉業などをするイメージでしょうか?
危険なもの怖いもの、得体の知れないものにも冷静に対処する才能です。」

 

?:「生かせる職業を考えると、
子どものやっていることを叱ってはならないという、イメージが湧きました。」

 

【お母さま達へのエール】

T「この才能を持つお子さんのお母さまは、
得体の知れない気味の悪さをどうすれば良いかと心配で大変です。
けれど、愛情を持って育てると素晴らしい科学者的な才能になります。
だから、是非この才能を育てる子育てをしてみて下さい。」

 

?:「受け入れられないこともたくさんあるけれど、
感情で処理をしないように気をつけてみます。
イツキちゃんありがとう!」

 

T「こちらこそ!
話を聞いて下さってありがとうございます。
お子さんが心身ともにそばにいてくれるのは、
高学年になるまでの10年くらいであっという間です。
限られた時間を楽しくご一緒に過ごして下さいね^^。」

 

第13回「残酷で気持ちが悪いのは、強固な意志と未知の世界を探求する才能の芽」〜叱らないで!その短所、お子さんの才能です〜を、
最後までお読み頂きありがとうございます!

 

いつでも気持ちの悪いものや残酷なものに興味を持ってしまう子を、
優しくて慈悲のある子にと今まで一生懸命に叱ってきたお母様

 

不快だとか気味が悪いなと思っても、
叱らない方が良い訳をお分かり頂けたでしょうか?

 

このコラムでは叱らなければいけないと思っている短所の多くが、
どんな才能に成長するかをお話させていただきます。
次回は地味で反応が薄いお子さんの才能です。

 

ついついイラついたりムカついたりして怒ってしまうような、
お子さんの問題行動や直らない癖。
そんな短所に困っているお母様は、
「これってどんな才能なの?」と、質問してくださると嬉しいです。
出来るだけ状況を詳しくお書きくださいね。

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