夜中聞いてしまった母の泣き声【親子で心臓病でした。②】 by きたぷりん
「親子で心臓病でした。①」の続きです。
今回からしばらく、私の思い出を書いてみたいと思います。
【集団検診で判明した心臓疾患】
私の先天性の心臓疾患がわかったのは
小学校の集団検診でした。
転勤族で熊本に住んでいたから小学校3年か4年かな?
当時は確か集団予防接種も内科検診も体育館で受けた記憶があります。
そんな今とは病気に対する考えや技術が随分と違う時代でした。
体育館の検診で私だけ再検査の紙をもらって、
その後熊本の病院で検査のためのカテーテル入院をし
心房に穴が開いている為、手術が必要とわかりました。
【不安を与えなかった母の態度】
私が結婚してだいぶたってから、そんな話もするようになりました。
でも当時は、もちろん不安な事を微塵にも思わせないように、
毎日笑顔で私に接していて
小学校5年の夏休みに久留米の大学病院で手術が決定した時も
どんなに素晴らしい病院で手術できるかを私に教えてくれたりと
いい事ばかり嬉しそうに伝えてくれていたので
私も自分の手術に対して特に何の不安もありませんでした。
ただ一度だけ、
夜中に珍しく目が覚め喉が渇いたので水を飲みに行こうと思った私は、
姉たちも同じ部屋で寝ていたしみんなを起こさないように
静かに階下へ降りていくと…
下の部屋から
両親の話し声がするのに気がつき
足を止めすぐに
そっと引き返しました。
なぜなら
母が泣いていることに気づいたからです。
いつも楽しそうに歌いながら家事も仕事もこなしていた母の
そんな面を知るのは初めてでした。
そして私の病気が母を泣かせるようなことだったとは…。
翌朝の母はいつも通り…。
私も何も聞かず、あれは夢だったと思うことにして
入院の日まで過ごすことにしました。
【家族旅行】
その入院の前日は宮崎の高千穂峡へ家族旅行へ。
天照大神を祀っている天岩戸神社には日本神話に出てくる天岩戸があり
子供ながらにその神秘的な場所にワクワクし、
夏の暑い時期でも涼しげな高千穂峡ではボートに乗ったりとすごく充実した1日で
木漏れ日や、水しぶきの光がキラキラ輝いていたのがとても印象的でした。
きっと翌日から入院する私のために計画してくれた家族旅行…。
もしたとえ最後でも、とてもいい場所に連れてきてもらってよかった。
と、満ち足りた気持ちで、翌日入院先へ向かったのでした。
今のほうが、あれしたい、これしたいってもっとあがきそうです。
小学校時代の私は家であまり自分のことをしゃべらないし
(しゃべらないことで母は学校に相談したくらいで)
運命にさからわないようなところがありました。
つづく
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