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私だけお母さんがいない親子活動【親子活動の複雑な思い出 前編】 by きなこす

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カレーは学校で作るけど、「白米は各自家で炊いたものを親が持参してください」とプリントに書かれていたからです。

夏だったので、朝から白米を持って行き、エアコンの無い教室に置きっぱなしにするわけにもいきません。母は朝から用事があったので、途中で小学校に寄って白米を届けるわけにもいきません。

 

苦肉の策で、私も、親同士も一番仲の良かったさっちゃんのお母さんに、私の分の白米もお願いすることにしました。

 

 

【親子活動当日】

 

児童は通常通りの授業をこなし放課後を待ちました。

放課後になったら親が学校へ来て、親子活動が始まります。

みんな、いつもよりソワソワして浮き足立っていました。

カレーを作って肝試しをするのだから、楽しみすぎてソワソワするに決まっています。

 

そんな中、私は一人、緊張していました。

『お母さんが来ない』という現実を、目の当たりにしたのです。

 

 

母が欠席する事は前々から知っていましたし、理解していたはずでしたが、当日になって「親が来ない」ということがどういうことなのか、やっとわかったのです。

 

他の子が親子でカレー作りをする中、私は一人で過ごさなければならない・・。

楽しそうに過ごす親子を横目に、自分の居場所がどこにもなく、何とも言えない手持ち無沙汰感を味わっていました。

 

寂しいということがバレるのも嫌だし、親が来ていないことを可哀想だと思われるのも嫌でした。とにかく誰とも関わりたくなくて気配を消し、時間が過ぎていくのを待ちました。

 

そして、いよいよカレーライスを食べる時間になりました。

班ごとに輪になり、お母さん方は持参した白米をタッパーから取り出しお皿によそっていきます。

カレーを入れる時にさっちゃんママが私の分の白米を持って来てくれるはずなのに、なかなか持って来てくれません・・

 

私がカレーを入れる番が近づいています。

『ヤバイ、ヤバイぞ・・』

 

さっちゃんとは班が違いました。

チラッとさっちゃんの動きを確認します。

 

 

しかし、待てども待てどもさっちゃんは来ません。

 

遠くに見えるさっちゃんは、班の人達と楽しそうにしています。

すごく盛り上がっている・・・。

 

嫌な予感がしました。

 

 

思わぬピンチに、冷や汗が止まりませんでした!

 

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