娘の手術を終えて思うこと【そけいヘルニア手術体験記⑥~最終話~】 by あん子
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文句を言っていたお隣の方は
黙り込み、私たちをジッと見たあとすぐに
カーテンをシャッっと閉めました。
この少女が再手術しなければならないということを後日、知りました。
痛くて辛くて不安な日々を過ごしてきたからこそでた言葉だったのだと思います。
それからお隣さんは
文句を言うことはなくなりました。
数日後
この大学病院には病気で入院している子供たちのために、キッズルームで専門のスタッフが子供たちと遊んでくれたり、子供同士が遊べる交流の場を設けていると聞き
早速行ってみると
帽子を被った少年に声をかけられ
娘と一緒にトランプをして遊んでくれることに。
その姿を微笑ましく見ていると
「この病院は、外科で入院している子ばかりではなく
内科的治療のために入院している子もたくさんいるんですよ。
あの子は、抗がん剤の影響で吐き気がおさまらなくてね
副作用で髪の毛もほとんど抜けてしまったんです。
ここ数日、本当に苦しそうでここに来たいと言ってはいたんだけど来れなくて…。
でも今日はちょっと具合が良いみたいで。」
「そうなんですね…。」
私は知りませんでした。
ひたむきに病気と闘っている子供たちがこんなにも沢山いるということ。
大勢の医療スタッフが、今この瞬間も病気で治療を必要としている人の為に一生懸命に働いているということを。
あれから7年の月日が過ぎ
娘の手術の跡は、ほとんど分からないほど綺麗になりました。
大きな病気をすることなく
今日も元気な声で
「行ってきます!」
と学校へ行き、
ヘトヘトになりながらも笑顔で
「ただいま〜」
と帰ってくる。
そんな日常を送ることができています。
手術なんてやらないでいいのなら、それに越したことはありません。
ですがこの当たり前の日常が、かけがえのない大切なことだということを
あの手術があったからこそ知ることができたのだと思います。
終わり
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