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50代後半の母が選んだ『人生最大の自己否定』~母の年齢では…~【バラバラになった家族⑳】 by ワンタケ

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以上「母の年齢では…」でした。

 

【父の入院で母と私が見た世界】

 

父の入院により、母の離婚の意思が固まりました。

今まで「耐えれば何とかなる」だった日常から急に一転して「耐えない生活ってこういう事なの?」と気付くきっかけになったのだと思います。家に父がいない生活が突然始まり、1人でやっていく決心がついたのかもしれません。

何もかもに耐えてまで離れたくなかった古い家は、母の思い出がすべて詰まっていたのだと思うと、なんとも言えない気持ちになります。

私と妹と母と一緒に犬の散歩をして、クローバー探しをしていたあの頃。家に帰ると父が釣って来た鮎を七輪で焼いていたあの頃。

家はあの頃のまま変わらず、でも確実にゆっくりと朽ちているような状態でした。

 

母は自分自身が片親で育ったことを気にしていて、離婚だけはしたくなかったことを私は知っていました。

「やっぱり私の家族はバラバラになった」

それは母の性格上、人生最大の自己否定になるような選択でした。

 

【バラバラにしたのは私】

 

それでも私は母の選択が最善であると思っています。

見て見ぬふりをして耐えたまま人生を終わらせて欲しく無かった。
離婚をする事や、家を出るように強く勧めていたのはいつも私でした。

私がいなかったら、この家族はまだ3人で一緒に暮らしていたのかもしれない。
丸く収まるきっかけがあったかもしれないし、「あの時は大変だったね」と笑って乗り越える時が来たのかもしれない。

妹を家から出し、母を家から出し、
どんどんバラバラにさせていった当人は私だと思います。

でも一緒にいる事よりも、自分を大事にして欲しかった。
一緒にいて辛そうな父のためにも、離れて欲しいという気持ちでずっと動いていました。

長い目で見たらどうだったのか、他のやり方もあったのか、ふとした瞬間にいろんな可能性を考える事があります。

 

【母の年齢】

 

以前から家を出る事や離婚を勧めていましたが、決意した頃には母はもう50代後半になっていました。

夜勤の仕事のために、不便な山側に引っ越して車で活動するには少し不安な年齢に差し掛かっていました。
気が散りやすい母の素質上、運転に向いていない事も一因です。

 

夜勤で良いのか?不便な場所へ引っ越して良いのか?車の運転は大丈夫か?
私から見ると不安要素が多過ぎたため、新しい提案をすることに。

 

そして一番気になったのは、この時期の母が今まで見た事の無いような眼をしていた事です。

という訳で次回「母の眼と父の反応」に続きます。

 

以上、「川魚は塩焼きや甘露煮よりも、バターソテーが美味い」と思っているワンタケがお送りしました。

 

~第1話はこちらから~

 

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