児童精神科での予想外の診断。診察後、私に声をかけたのは……【チックはある日突然に②】 by まめねこ
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【1年経っても治らないチック】
チックは9割が1年以内に落ち着くとのことでしたが、息子は1年を超えてチックが続きました。
このまま一生チックのままなのだろうか……と悩む日々。
私は正直、息子に愛情があるかどうかも分からなくなりました。
息子のチックを聞く度にダメな母親と責められている気さえしました。
私がこの間やっていたことと言えば「ウソでも笑っている」ということだけ。
息子の様子やチックがどんなに嫌でも、ただ笑顔でそばにいる。
たったそれだけ、でもそれだけのことが心底辛かった。
ずっと続けていた知育もやめてしまいました。
【転機】
自閉症スペクトラムと診断された子を持つ友人がいます。診断がついた頃はやつれる程落ち込んでいた彼女……。
しかし久しぶりに話した彼女は、とても生き生きとしていました。
そんな彼女が悩む私に
「人と比べるの止めたらいい。楽になるよ」
と教えてくれました。
人と比べる・・・?
言われて初めて、自分がいつも息子を”誰か”と”何か”と比べていることに気が付きました。
チックがあるのは「普通の子」じゃない、という比較。
落ち着きがないのは「同年齢の子」はもっと落ち着いている、という比較。
変わっているのは「周囲の子」はそんなことしないのに、という比較。
私は無意識に息子を比較して苦しくなっていたのだと気が付きました。
【生きてさえいれば】
息子がお腹にいる時、無事に生まれてさえくれればいいと願いました。
でも、本当に無事に生まれた息子を見ているうちに、私はどんどん欲張りになっていたようです。
賢い子になってほしい。
落ち着きのある子でいてほしい。
親の言うことをよく聞いて、聞き分けがよくて、優しくて・・・。
自分の気持ちばかりが先走って、息子を苦しめていたのかもしれません。
「それが本当に必要かどうか」を考えた時、一つ、また一つと荷物を下ろすように身が軽くなりました。
最後に残ったのは「生きてさえいればいい」。
それだけでした。
【7歳になった今】
今はほとんどチックが出ません。
でも、たまに出ます。
息子の場合はプレッシャーがかかること、緊張した時、叱られた後のきっかり1週間後にチックが出るんです。
でも、出るのは1日の短い間だけでそのままスッとでなくなります。
相変わらずの変わり者で、誰も気にも留めないことを延々と悩んでいたり、泣いたり、笑ったりしています。
でもそれでいい。
少しずつ少しずつ。
息子も成長をしていて、私も成長をしていると実感する今日この頃です。
ある日ふと、チックが全く出なくなるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
でも、今はどちらの未来であってもすとんと受け入れられそうです。
生きてさえいればそれでいい。
心からそう思えるようになれました。
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