【自閉症】小学校を選ぶ際の大事なポイントとそれぞれの学校のメリットとデメリット

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自閉症

漫画:moroさん

我が子が自閉症と診断された時のショックは、はかりしれないものです。
子供の将来に悲観し、まるで出口の見えないトンネルにたった一人で放り込まれたかのような、孤独な気持ちになったのではないでしょうか。
ようやく子供の障害を受け入れるようになっても、就学前には小学校選びという問題が待っています。
小学校は子供の成長に大きく影響する大事な期間を過ごす場所であり、選ぶ際にはどうしても慎重になってしまうものですよね。
自分の選択に子供の将来がかかっているんだと意気込むほど、どうしたらいいのか分からなくて困っていらっしゃる方もいらっしゃいます。
今回はそんな悩めるお母さん達のために、自閉症の子供の小学校選びのポイントをわかりやすくアドバイスしたいと思います。

■自閉症の子供の特徴

自閉症は先天的な脳疾患であり、言葉の発達の遅れや、感覚過敏、強いこだわりが著しいことから、社会に適応するのが難しいとされています。
この社会適応の難しさが、小学校生活をおくる上で大きな弊害になってきます。
また、大きく分類すると

・知的障害(カナー症候群)を伴っているケース
・そうでないケース(高機能自閉症)

に分かれます。
IQが70に達していない場合に知的障害と診断されることが多く、他の子供と同じような状況下で学ぶのが難しくなってきます。
問題なく勉強や学校生活についていけるかの判断も、小学校を選ぶ際の大事なポイントです。

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■小学校選びで考えたいこと

では、子供の学校選びの際に主に着目したい点を具体的にあげていきましょう。

① 日常生活が自立しているか

一人でご飯を食べることが出来るか、トイレに行けるか、着替えが出来るかなど、他人のサポートがなくても一日の流れをこなせるかどうかを考えましょう。
教育機関によってサポート体制が大きく異なりますので、子供がストレスなく学校生活がおくれるところを選ぶようにしてください。

② 集団生活がおくれるか

感覚過敏があると、ザワザワとした声に過敏になったり、些細なことが気になったりして、授業に集中しにくくなる傾向があります。
また、集団で指示を出されても自分がどう動いたらいいか分からなかったり、大勢の人達の中にいるとパニックになったりする場合は、少人数のクラスで個別に支援を受けた方が落ち着いて過ごすことが出来るかもしれません。

③ 授業についていけるか

知的障害がある場合や、物事を理解するのに時間がかかる場合は、マン・ツー・マンで先生にじっくり指導してもらえる方が向いているでしょう。
勉強に遅れをとってしまっても、集団の場合は構わずどんどん授業が進んでしまいます。そうなると親子ともども辛い思いをしてしまい今後の成長にも大きく影響してくるので、あらかじめ個別支援対策が整っているクラスを選ぶことをおすすめします。

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それでは、自閉症の子供にはどういった学校の選択肢があり、それぞれどんな特徴があるのかを、メリットとデメリットを踏まえながら説明していきたいと思います。

■特別支援学校

特別支援学校は障害のある子供が通うために作られた小学校で、知的障害・肢体不自由・視覚障害・聴覚障害、といった様々な障害を持つ子供が在籍しています。
自閉症の子供の場合は、知能や言葉の発達に顕著な遅れがある場合に、特別支援学校を薦められます。

・メリット

先生が教員免許だけでなく特別支援学校の教員免許も持っているため、専門的な視野から子供の教育に携わってくれます。
また、子供が自立して日常生活がおくれることを目的とし、サポートや指導をしてくれるので、普段はお母さんの支えがなくては生活することが困難な子供も安心して過ごすことが出来ます。
建物もバリアフリーで、教科書も子供の障害に合わせて選ぶことができ、あらゆることが障害のある子供が過ごしやすいように設計されています。

・デメリット

カリキュラムは普通級に比べて遅れがちなので、軽度の知的障害の子供の場合だと勉強が物足りなくなる傾向にあります。
カリキュラムに遅れをとりたくない場合は、先生とじっくり話し合いましょう。
また登下校は付き添いが必要になるため、保護者の負担が出てきます。
ですが通園バスが運行している特別支援学校も多くありますので、あらかじめ情報を収集しておきましょう。

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■特別支援学級

特別支援学級は普通の小学校に併設されているクラスで、8人の少人数体制で授業を行うのが特徴です。
知的障害が軽い自閉症児や、アスペルガー症候群やADHDなどのように知的障害を伴っていなくても集団生活が難しいと判断された場合に、薦められるケースが多いです。

・メリット

一人一人に合ったペースで指導してくれるため、集団の中にいると落ち着かずにパニックになってしまう子供や、じっくりと教えてもらわないと物事を理解できない子供も不安を感じずに授業を受けることが出来ます。
教科によっては普通級に通ったり、運動会の時だけ普通のクラスに入って練習したりと、特別支援学級以外の子供との交流も盛んでお友達の幅も広がります。

・デメリット

ゆったりとした独特の雰囲気があるため、たとえ途中から普通級でも大丈夫と判断されても、すぐには馴染みにくいケースが出てきます。
また、普通級との交流が逆に子供たちの負担になることもあります。
それから全ての学校に特別支援学級が併設されているわけではないので、地域によっては遠くの学校まで毎日通わなければならない必要があり、保護者の送迎の負担も視野に入れる必要があります。

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■通級支援学級

通常支援学級は「通級」と呼ばれるクラスで、通常は普通級に在籍し、苦手な科目やついていけない授業の時だけ通うシステムになっています。

・メリット

ほとんどを普通級で過ごすので、集団での生活が経験できます。
また、知能の遅れのない自閉症の子供や、難聴・自覚障害の子供のための教室など、どんなクラスがあるかは自治体や小学校によりさまざまで、申請すれば通っている小学校とは別の通級に行くことも出来ます。

・デメリット

実際のところ通級の線引きはあいまいで、ほとんど稼働していない小学校もあるため、親が実態をつかみにくい傾向にあります。
そういう場合は小学校に出向き、どういった活動をしているかなど、通級クラスの先生に話を聞くのが一番です。
また近くの小学校に子供に適した通級クラスがないことが多々あり、結果として不安を残しながら普通級や特別支援学級に入るケースも見られます。

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■普通級

多くの子供と同じように、普通級に通わせるという選択肢もあります。

・メリット

他の子供と同じように、集団での生活を経験させることが出来ます。
親も自分の小学校時代の経験があるので、子供の学校生活どういった雰囲気なのかイメージが掴みやすく、気持ち的には落ち着くかもしれません。

・デメリット

普通級は集団生活が基盤にありますので、お母さんのサポートなしでは難しいでしょう。
毎日勉強を見てあげたり、登下校や授業に付き添ったりする覚悟が必要になります。
普通級が適していると判断した場合は、入学前に学校側に相談し子供をサポートする体制を整えておきましょう。
ですが、低学年の頃は何とかなっても、より授業が複雑化する三年生になる頃には普通級でやっていくのは子供のストレスになるケースもあります。
そういう場合のことを踏まえて、特別支援学級への移籍も心に留めておきましょう。

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自閉症の子供の学校選びは、とても難しいとされています。
子供の状態や学校の状況により一概には「ここが適している」と断言できない状態で、悶々とされているお母さん達もたくさんいらっしゃいます。
特別支援学級や通級指導教室は学校によって雰囲気や状況も全く異なるため、気になった場合は早めに見学をしましょう。

教育の目標は、“自立”です。目先のことに目がいきがちですが、最終的な目的は子供が自分の力で働いて生きていく力を手に入れることです。
そのためにはどんな教育が適しているか、将来に目を向けてじっくりと考えましょう。

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