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オタクになり癒されていく心の傷。しかし、ひきこもりは重症化していき…【性被害に遭って10年ひきこもった私が娘と出会うまで⑧】 by たんこ

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朝寝て夕方に起きる昼夜逆転生活になり、布団とパソコンを往復するだけの生活。
運動は出来ず身体は太り続け、身なりなど気にせず、入浴も週に一度できればいい方でした。
今では風邪や断水で一日お風呂に入れないだけでつらいのに、この頃の私は何も感じませんでした。
むしろ、浴室で自分の身体と向き合う時間が苦しく、入浴のたびにフラッシュバックと戦っていました。

インターネットでは饒舌に文字を打てても、言葉を一言も発しない日が当たり前に続き、
声の出し方も忘れるほど。

傍から見ても、自分から見ても、お先真っ暗でした。
思春期だった弟には、こんな姉の存在は本当につらかったと思います。
父にも、母にも、本当に申し訳なかったです。

 

でも、変わろうにも、変わる勇気がありませんでした。
コンビニに好きなものを買いに行くことすら出来ず、服は一年中ブカブカなジャージ。
自分の姿を誰かが見たら、近所の人が見たら、家族が笑われてしまう。
そんな思いで、私は必死に自らの存在を消そうとしていました。

 

 

憧れの人と出会い、“ああなりたい”と思ってはいても
私の心はどこか諦めを抱いていました。
忌まわしい記憶はどこまでも付きまとい、自分の身体はもう元には戻らないと絶望していました。

“変わろうとしてもどうにもならない”
“私は変わることは出来ない”

かつての同級生たちが青春を謳歌していても、ちょっと早い結婚報告のハガキが来ても、
私は羨ましいとは思いませんでした。
あまりにも別世界の話すぎて、私はもうたどりつけない世界なのだという思いが強すぎて、
純粋に「おめでたいなぁ…」とほっこりするだけでした。

私にはどう考えても無理な話でした。
私はこの状態のまま、10年という長い月日を薄暗い部屋の中だけで過ごし、
年は20歳を過ぎていました。
娘が今年10歳になったことを考えると
その年月の長さを、重さを、ひしひしと感じることができます。

 

成人式にはもちろん出ることができませんでした。
こんな姿、誰にも見せるわけにはいきません。

でも、今、我が子の写真を節目節目で撮るたびに
両親に申し訳なかったなと、胸が締め付けられます。
卒業式の写真も、私には一枚もありませんでした。

 

私は本当に親不孝者でした。
生きているのが申し訳ないと何度も思いましたが、行動する勇気もなく、
両親の庇護のもとに、私は生き続けていました。

こうなった理由を、家族には話すことも出来ません。
〝家族が知ったらショックを受けてしまう〟という思いで、ひた隠しにしていました。
母が怒りや不安をぶつけてきた時もありました。
でも、真実を知られてはいけないと、私は黙ることしかできませんでした。

 

つらい思いを吐き出せるのは、インターネット上の友達だけ。
ですが、また、このネット友達がとてつもなく優しかった。

私の人生を変えることになる二人。
そのネット友達とはもう5年以上の付き合いでした。
好きになった共通のジャンルで、少しマイナーな、キャラクターの好みが同じ。
チャットで話せば5時間は優に話し込んでしまい、一緒に創作活動もするくらいでした。

この二人とはもちろん会ったことはなく、顔も知りません。
私がひきこもりだと知ると、私が行きたくても行けないオタクイベントに足を運び、
購入したグッズや本を郵送で送ってくれるほどでした。

そこには毎回、手紙が添えられていました。

顔は知らないけれど、私の勝手なイメージでその二人は、
少しやんちゃな明るいお姉さんと、
のほほんとした、穏やかなお姉さんになっていました。

 

 

そんな二人にある日、私は切り出されます。

「大変かもしれないけど…」

「私たちなんかには、想像もできないくらい、つらいかもしれないけど…」

「たんこちゃんにも、人生の楽しいところを味わってほしい」

〝脱ひきこもりに挑戦してほしい〟という、言葉でした。

ちょうど同じ頃、両親が、通信制高校というものの存在を教えてくれました。
登校は一ヶ月に一度だけ。あとは家で勉強すればいい。

でも、一度だろうと、家の外に出なければいけません。
この私が……

だけど、一歩踏み出さなければ、何も変わりません。

失敗するかもしれないけれど……

でも、私には、失うものはありませんでした。

だけど、背中を押してくれる人が、こんなにもいる。

私は、22歳の時、通信制高校に入学することを決めました。

 

 

~第1話はこちらから~

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作者:たんこさん

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