彼女の“家”を見て彼が思い出したこととは?
「親に言えない理由、わかったわ…」
B子の家の前に着いた瞬間、辰也は思わずつぶやいた。
幼いころ、この家の女性と口論になったことがある。
どこか威圧的で、理由も聞かずに怒鳴りつけてきた――そんな記憶が、ふと蘇った。
B子の「親になんて絶対言えない」という言葉の意味が、ようやく腑に落ちる。
親に言えと言いたい。でも…言えない事情も、少しだけわかってしまった。
その時だった。
玄関から現れた女性が、車の窓を叩いて叫ぶ。
「あなたね!うちの子をいつも遅くまで連れまわしてるのは!!」
◆今までのお話はこちらから
 
 
 
 
<広告>
▼次ページに続きます▼
											