呆気にとられたグラニーからの報告◎私が鬼になったワケ⑥◎ by ホリー

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どうやら彼女は

あれほど止めていたバイクに

愛息が黙って乗っていたことなぞは

どうでもいいらしい(白目

 

・・・まぁ

腹を痛めて生んだ息子が

緊急手術を受けたあとだ。

約束をやぶられたことなぞ

論評にも値しない些細なことなのだろう。

 

だがしかし

私はただただ呆れ返っていた。

そんなウンザリ・モードの私に

グラニーはこう続けた。

 

私は懸命に

「いや、別に・・・」

を飲み込んだ。

 

その延長線上にある困惑という不安定な表情を

こぼしてしまったのであろう私を

逆に心配した大天使グラニーは

「そうよね・・・病院は遠いし

運転するにも電車で行くにも大変よね。

私はジョン(グラニーの再婚相手)に

送迎してもらえたけど・・・

ジョンも2日連続運転するのは

大変だと思うし・・・・」

何かを勘違いしたままのグラニーは

懸命に有効な打開策を見出そうとしていた。

 

【そして、彼女が出した結論は】

 

まさかの旦那の実父!!

 

いや・・・

ほぼしゃべったことのない

第二の義父であるシャイなトミーと

往復4時間車の中はツラいわ(能面

 

――と、言うか

今の私が旦那のお見舞いなんて行っても

「ざまあみろ」としか思えないだろう。

患者に暴言を吐くくらいなら

大人しく家にいた方が良さそうだ。

そう思い至った私は

グラニーにこう伝えた。

「・・・いえ、お構いなく。

どうせ1週間で退院するんですよね?

ならばそんな遠くまで

小さい子を2人も連れて

お見舞いに行かなくてもいいと思います」

私は正論のつもりで叩き出した結論だったが

グラニーはいささか消化不良気味に

「そう・・・?」と漏らしただけだった。

 

【次の日の朝――】

玄関のチャイムが鳴った。

ドアを開けた途端、私は仰天した。

なぜって

トミーが立っていたから(真顔

まさか迎えに来たのか!?

動揺する私にトミーは小声でこう言った。

「・・・今からワンパク息子の

お見舞いに行くんだけど」

は・・・はぁ(困惑

私は身構えた。

「彼からスリッパとナイトガウンを

リクエストされたので

持って行ってもいいかな?」

 

ナイトガウンて優雅やん?(微笑

 

私はしばし

甲斐甲斐しく愛息の私物を取りに来たトミーを

生温かい目で見つめた――

 

 

私の鬼度 ★★★★☆(4.5)

 

「全6話」と言っておきながら

次回につづく・・・

 

 

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◆今までのお話

私が鬼になったワケシリーズ

作者:ホリー先生

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