イメージしていた産後の入院生活…
ひと仕事を終えて赤ちゃんと微笑み合う幸せな母子…
という図は幻想でして、
実際には産後すぐはお風呂も入れない為
汗だくで放置された髪の毛はばさばさ。すっぴん。発熱。
文字通りぼろぼろになった体を出来るだけ休めながら
慣れない新生児のお世話を必死で覚える入院生活。
3時間おきの授乳というと、間の3時間が眠れると思ったら大間違い。
3時間おきに泣く。というだけで、その間授乳したりオムツを替えたりと、
実質眠れるのは1時間もなかったりする人も。
そんな産後1日目…
「生まれた」という報告を受け
夫の会社の上司が「お見舞いに行きたい」と申し出てくれました。
…とはいってもその上司、還暦前の男性で、
友人にすら見せるのが恥ずかしいこの姿、絶対に見せたくない…!
なんとか断ってもらえないかと事情を話して夫に伝えてもらったところ、
「すっぴんでぼろぼろでも俺は気にしないぜ!」
というスタンスを曲げずに結局来ることになりました。
なんとも言えない怒りを抑えつつ、
やっぱり日ごろお世話になっていますし、できるだけ身なりを整えて笑顔で迎えました。
そして帰る時間になった頃…
「さやけんさんっ」
と名前を呼ばれ、何も警戒せずに振り向くと
カシャッ
時、既に遅し。
夫の上司は私に向かってシャッターをきっていました。
真夏の産後、
風呂にも入らず、汗だく、すっぴん。
ほとんど睡眠も取れていない状態の私を
カメラで、他人が、撮った!?
「これみんなに見せとくねーっ」
と嬉しそうに病室を出て行く上司を見ながら
私の顔は人生至上最大級に般若と化していたのでした…
⇒作者:さやけんさん
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