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性被害から10年…引きこもりを経て入学した通信制高校。しかし病魔は突然やってきて…【性被害に遭って10年ひきこもった私が娘と出会うまで⑨】 by たんこ


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◆今までのお話

【性被害に遭って10年ひきこもった私が娘と出会うまで】シリーズ一覧

 


両親の協力とネット友達の後押しもあり、私は22歳で通信制高校に入学。
清水の舞台から飛び降りるような、そんな気持ちでした。

今から15年以上も前のその当時は、“不登校児が学習できる場所”というものはまだ珍しく、
この学校も自宅から車で小一時間の離れた場所にやっと存在していました。
現在は生徒ひとりひとりにタブレットが配られ、その日に行った授業のあらまし、
そして授業自体をアップロードしてくれる学校も存在します。
学校にいけない子どもたちの学習面のフォローには、本当に良い時代になったと思います。

入学前の先生との面接の緊張感は、今でも覚えています。
そして、父の運転する車の中、何もしゃべることは出来なかったけれど、
ちょっと前向きな、あたたかい空気が流れていたことも、なんとなく覚えています。

面接のための履歴書、そして学生証を作るためには証明写真を撮らなければいけないのですが、
何せ私は年季の入ったドひきこもり。
写真撮影なんて、小学校の遠足ぶりでした。
証明写真マシンの中で、自分の変わり果てた姿の現実に、心をえぐられます。
こんなの、誰にも見せたくない……

写真をすぐにでも破り捨てたい気持ちでした。

でも、脱ひきこもりはそんな苦悩の連発です。
私の心、そして身体は、10年におよぶひきこもり生活で固い殻に覆われていました。

だけど、これはサナギ。ただの石ではない。

少しずつ、少しずつでも殻を破っていけば、変われるはず…!

その通信制高校は、私のようにアクシデントやいじめで学校に行けなくなってしまった子どもの他、
通っていた学校を事情により退学になってしまった子どももたくさん在籍していました。
つまり、ちょっとやんちゃ系の子どもたちです。

そんな中で、私は何かと縁のある女の子と出会いました。
縁と言っても、面接のタイミングや机が近いというだけなのですが…
たぶん、年齢的には現役生。長い黒髪の女の子で、とても静かな女の子でした。

「(は…話しかけていいのかな…)」

彼女の制服に猫の毛がついているのを見つけて、
「猫飼ってるの!?私も猫好き!アレルギーだけど!!」
と声をかけようか悩んでみたり…
彼女がノートの隅に絵を描いているのを見て、
「絵描くの好き!?私も好き!!!」
と声をかけようか悩んでみたり…

いま思うと、確実に年上のすごいデカい挙動不審の女に熱視線を向けられていて
怖かったかもしれないと反省ばかりです。ごめんね!!!!

ちなみに私は、結局卒業までこの女の子に話しかけることは出来ませんでした。
というか、誰とも会話できませんでした。会話ゼロでフィニッシュです。
お昼ご飯もずっとぼっちメシでしたが、学校に通えること、勉強できるのが楽しくて、あまり落ち込むことはありませんでした。
独り慣れしている人間は微妙に強いのです。

クラスは、私たちのような大人しい人間2割と、やんちゃ系の子が5割、
そして楽しそうに盛り上がるオタク系の子が3割(羨ましかった…)、という感じで
授業は決して静かなものではなかったのですが、先生はゆっくり優しく授業を進めてくださいました。

授業はたぶん、他の高校に比べればうんと優しいレベルです。
でしたが、小学校中退の私には意味不明な暗号ばかりで、長いブランクを埋めるのには
かなり苦労をしました。
娘にも、つらいことがあったらいつでも学校を休んでいいと言ってあるのですが、
このブランクを埋める苦労についても触れることにしています。
でも、ブランクはいつでも埋められるということも、必ず付け足しています。

もともと勉強が好きだった私でも、苦労した学習ブランク。
ですがここで助けてくれたのが、現役教師のネット友達Bでした。
ただでさえ激務なのに、合間を見て、オタクトークしながらも、チャットで私の勉強のフォローをしてくれました。
本当に本当に感謝しています。かつて学習塾でパートしていた母も、助けてくれました。

おかげで、テストでは赤点を取ることもなく、順調に通信制高校生活を
満喫…は出来ていなくても、やり過ごすことができました。

しかし、ここで予想外の出来事が起こります。

ある日、激しい腹痛に襲われ倒れた私は、病院に担ぎ込まれます。
そこで診断名が下されたのが、『好酸球胃腸炎』という難病でした。

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