「普通の生活に戻れるかもしれない」そう思った矢先、思わぬ事件が起こり…【性被害に遭って10年ひきこもった私が娘と出会うまで⑩】 by たんこ
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◆今までのお話
【性被害に遭って10年ひきこもった私が娘と出会うまで】シリーズ一覧
難病で倒れたことをきっかけに、長い付き合いだったネット友達が男性だと知ることになった私。
友人たちは私の退院後も通信高校生活や脱ひきこもり生活をフォローしようと、躍起になってくれました。
テスト勉強に苦戦すれば、1時間でも2時間でもメールやチャットで授業内容をサポートしてくれました。
都内勤務だった友人Aは、田舎育ちのひきこもりである私が
行ったことのないお店の食べ物やスイーツを買っては
仕事帰りに2時間かけて、渡しにきてくれました。
そんな時間の中で私は、
“なんだ…男の人って、怖くないじゃん…!”
と、少しずつ思えるようになっていました。
“私も、これからは普通に過ごせるかもしれない。普通に…”
そんな思いが芽生えた私は、唐突に主治医の先生に片想いを始めます。
医療関係者の中ではよく目にする、患者が医師に対して過ぎた感情を寄せる「陽性転移」というものだと
思うのですが、私は月に数回の通院で、主治医と会話することをささやかな楽しみにしていました。
そして何故か、“痩せて想いを告白する”というでっかい目標を掲げるようになります。
その当時だいぶぽっちゃりしていた私は、食事制限と朝晩のウォーキングを始め、
薬の副作用の妨害はあったものの、1年で20kgのダイエットに成功します。
入院という荒療治のおかげで少しずつ外出もできるようになり、
深夜に自動販売機に行くのが精一杯だった私は、昼間のコンビニに行けるようになり、
近所のショッピングセンターにも短時間ではありますが行けるようになりました。
そして、ダイエットにより少し身なりも気を付けるようになり、万年ジャージ生活から脱することもできました。
そんなこんなで、ついに告白…!
と思いきや、見た目は思ったより変わっていない…
ひとまず、告白は断念することに。
告白して、交際したいという気持ちはまったくありませんでした。
ただ、憧れの気持ちと感謝を伝えたかっただけでした。
でも、私は何故か必死でした。
今までのひきこもり生活で失われた青春時代を取り戻したかったのかもしれません。
これで男性を好きになることができれば、性被害の過去なんて忘れて、これから明るく過ごしていける。
そんな風に思っていたのかもしれません。
私の必死のダイエットは、友人AとBも見守っていてくれました。
そんな中で、友人Aが突然、
爆弾をぶっこんでくるのでした。
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