割を食うのは日常茶飯事。自閉症くんの姉の気持ち-『息子は自閉症。ママのイラスト日記⑭』
きょうだい児とは、障がいや病気をもった子の兄弟姉妹のことをいいます。我が家では、こもたろが自閉症という障がいをもって生まれているので、お姉ちゃんが「きょうだい児」になります。
きょうだい児というのは常日ごろから、我慢を重ねているところがあります。
例えばお片づけ。姉弟でオモチャを使って遊んだ後などにはお片付けをしますよね。私が夕飯の支度などで忙しいときなど「片づけておいてね」と声をかけて部屋を後にしていたのですが、お姉ちゃんは「私が全部やらなくちゃ」と頑張って一人で片づけていました。ほんとうは2人で片づけるべきでなのですが、こもたろが片づけの要領が分からなくて、結局ひとりで片づけなければならなくなるからです。
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他には公園に遊びに行ったとき。お姉ちゃんの仲の良いお友だちがいて、一緒に遊んでいるときに、こもたろが入り込んできて、そのお友だちに話しかけますが、うまくコミュニケーションがとれません。
お友だちに戸惑われ、お姉ちゃんがいづらくなることもありました。
こんなこともあります。お姉ちゃんが買ってほしいお菓子があって、それを親に「買って」と頼んでも、我が家はなんでも買ってあげる方針ではないため、「今日はダメだよ」と言うことがあります。でも、こもたろが欲しがるときは、パニックを避けるためもあって、結局は折れて買ってあげることになることがあります。結果としては、お姉ちゃんも一緒に買ってもらえるのですが、「お姉ちゃんが言うとダメなのに、こもたろが言うときはいいんだね。」というように感じているかもしれません。
お姉ちゃんがいろいろと割を食うのは日常茶飯事。親もどうしても手のかかるこもたろの方に意識がいってしまいます。生活の自立もまだまだなので、色々と手助けが必要です。目を離せないところがあり、ついついこもたろばかりを追ってしまう時があります。
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同じことができても、お姉ちゃんが出来るのは当たり前。こもたろのときはいつも褒められるのに。いつの間にか、「お母さんもお父さんもお姉ちゃんのことが好きではないのかな」と本人に思わせてしまっている面があるかもしれません。
あるとき、お姉ちゃんが自分の中の後ろ暗い気持ちを打ち明けたときがありました。「こもたろなんていなくなればいいのに」と。でも、「こんなこと思って、ほんとにこもたろがいなくなったらどうしよう」と言い、泣きじゃくりました。根はほんとうに優しい弟思いの子なんです。それを聞いて、私も夫も反省しました。障がいのあるなしに関係なく、姉弟は平等に扱わなければと思っていても、それができていませんでした。
こうして普段の生活でお姉ちゃんにいろいろ負担をかけていることをフォローするために、ときおり両親のうちどちらかがお姉ちゃんだけを映画に連れて行ったり、買い物をしたり、食事をしたりしていました。
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実は我が家では、より良い支援教育を受けられるように、こもたろはお姉ちゃんとは別の小学校に通わせています。このような中で私は今お姉ちゃんが通う方の小学校のPTAの役員をやらせていただいています。実は1学年の時に学年委員を務めたので、役員とかそのようなことはもうやらなくていいのですが、お姉ちゃんとの関わりを増やしたい気持ちから、役員のお仕事を引き受けさせていただきました。
役員になったことで小学校へ行く機会が増え、休み時間などよく廊下ですれ違います。その時のお姉ちゃんは、とても嬉しそうに手を振ってきます。お姉ちゃんの元気な顔を見たいので、お姉ちゃんが卒業するまで、役員は続けていくつもりです。
でも、こうした配慮でお姉ちゃんのケアにも努めていくことも大切ですが、やはり普段の生活でもお母さんもお父さんもお姉ちゃんのことが大好きだよ、安心していいんだよ、と伝わるように、ささいなことでも褒める、ありがとうと伝えるなどしていきたいと思っています。
~続く。
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