エスカレートしていく被害を隠し続けるものの…少しずつヒビ割れていく心と身体【性被害に遭って10年ひきこもった私が娘と出会うまで③】 by たんこ
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◆今までのお話
【性被害に遭って10年ひきこもった私が娘と出会うまで】シリーズ一覧
目の前に現れた男は、前回と似たような服を着て、
また同じように、優しそうに笑いながら私の肩を掴みました。
そして、車の後部座席で、同じように、同じように繰り返しました。
私の中にはもはや、恐怖心しかありませんでした。
抵抗しないこと、ただそれだけが、自分を守るために出来たことでした。
そしてまた、笑顔で解放されると
私は走って学校へと向かいました。
それはその後、何度も繰り返されました。
時にはカメラを向けられることもありました。
エスカレートしていく行為に、私は抵抗もせず、大人に告げることもなく、
良いカモになっていたのだと思います。
でも、もしかして、他にも被害者がいたとしたら…
この時、声をあげなかったことに、後悔をしています。
私は性被害に遭いながらも、何食わぬ顔で学校生活を続けていました。
髪が乱れていても、服が汚れていても、意外と気付かれないものです。
でも、この頃の私は、気付かれないことに、
親に“余計な心配”をかけていないことに、安堵するようになっていました。
けれども、私の身体と心は徐々にひび割れていき、
学校に行く前に、決まってお腹が痛くなるようになっていました。
ですが、それは集団登校からはぐれてしまうことを意味し、
またそれにより被害に遭うという、悪循環に陥っていました。
もはや、逃げられる術があるなんて、子どもの頭ではわからなかったのです。
私は黙って従うばかりでした。
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