【自閉症】の子供への「偏見」と周囲への「カミングアウト」
漫画:moroさん
幼い頃から、どこか他の子と様子が違った我が子。
もしやと疑いつつも、専門機関でいざ自閉症の診断が降りた時は、
やはりショックなものです。
「ああ、やっぱり」
「本当にそうなんだろうか」
「この子の未来はどうなるんだろう」
そんな気持ちが、頭の中に混在していたのではないでしょうか。
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心の葛藤を乗り越えようやく我が子の障害を受け入れた頃、今度は周囲の人へのカミングアウトをどうするか否かという問題に直面します。
昔ほどではないにしても、自閉症に対する偏見や差別が今でも世の中に残っているのは事実です。
ここでは周囲に正しく自閉症についてを教える重要性と、カミングアウトの必要性の有無についてを語りたいと思います。
■自閉症を正しく理解してもらう
カミングアウトをする際は、まずは自閉症がどういうものかを正しく伝えましょう。
自閉症に関する知識のない人は、
自分の殻に閉じこもる
メンタルが弱い
友達がいない
といった引きこもりのイメージを勝手に抱いているケースがあります。
親の育て方や、過去の辛い経験がもとで発症するものだなどという誤解もよくあることです。
自閉症は先天的な脳疾患であり、コミュニケーションの困難さ・強いこだわり・感覚過敏などといった社会に適応しにくい症状を持っていることが特徴で、決して性格が暗いわけではありません。
障害があるとはいえ、個々に適した対応をすれば社会に溶け込むことも可能であることをきちんと伝えましょう。
それでは、今度はどんな相手に対してカミングアウトが必要かを考えていきたいと思います。
■両親、または義理両親
両親や義理両親には、子供が自閉症であることをはっきり伝えた方がいいでしょう。
ですが私たちの両親世代は、自閉症と聞くと『レインマン』という映画に出てきたダスティン・ホフマンを真っ先に思い浮かべることが多いようです。
ダスティン・ホフマン演じる自閉症のレイモンドは作中で驚異的な記憶力を見せるのですが、一人で生活することの難しいいわゆる重度の障害者です。
そういった観点から、自閉症=障害者のイメージが強く、自閉症と聞くと初めは受け入れてくれないケースもあり得ます。
そんな時は前述したように自閉症についてを正しく伝え、子供の特性を理解してもらいましょう。
義理両親にカミングアウトする際は旦那さんと行動を共にし、自閉症の原因が決して育て方にあるのではないことをはっきり伝えてもらうとよいでしょう。
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■幼稚園や保育園
幼稚園や保育園には、より細かく伝えた方がいいです。
近年は少ないとは思いますが、自閉症児を受け入れてくれない園もあるかもしれません。
そういう場合は、子供を受け入れてくれる園に速やかに転園の手続きをしましょう。
保育者とはいえ、中には自閉症の知識の乏しい先生もいらっしゃいます。
誤解を防ぐためにも、自閉症とはどういったものかや子供の特性とパニック時の対応についてを文書にまとめ、子供に関わる可能性のある先生全てに配ることをおすすめします。
サポートブックといって、障害を持つ子供の個別支援のため用紙もあります。
お住いの市区町村で発行している場合もありますし、ご自分でご用意されてもいいでしょう。
気になられた方は、こちらのサイトを参考になさってください。
『うぇぶさぽ』
http://support-book.jp/
情報を共有することで園側もよりよい対応が出来、子供の安心と成長に繋がります。
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■習い事先
習い事先へのカミングアウトも、
誤解を防ぐためにもあらかじめしておくことを推奨します。
ですがピアノなどいわゆる一対一で指導してもらえる場合は
受け入れてくださることが多いですが、水泳や体操などの集団指導となると受け入れてもらえないケースもあります。
自閉症に対する偏見によるものではなく、一人の先生が大勢を見る場合はどうしても目が行き届かないことがあり、事故を未然に防ぐためにも止む終えない選択肢なのです。
断られたからといって落ち込むのではなくそういうものだと受け止め、安全対策が充分で快く子供を受け入れてくれる教室を新たに探しましょう。
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■ママ友
ママ友へのカミングアウトは、ケース・バイ・ケースだと思います。
発達障害や自閉症に関する情報が多く出回っている近年では、両親世代のように自閉症に対する誤解を抱いているママ友は少なくなっています。
ですが自閉症の特性を知った上で、
「どう接したらいいのか分からないから関わりたくない」
「自分の子供に害が及びそうで怖い」
といったイメージを持っている人も無きにしもあらずです。
一方で、自閉症の子育ての困難さを理解しすすんで手を差し伸べてくれるママ友もいます。
出会ってばかりではその見極めが難しいので、カミングアウトは避けましょう。
しばらく付き合った上でこの人なら大丈夫だと感じた場合は、思い切って伝えてみましょう。
きっと両者ともに気持ちが楽になり、よりよい関係が築けることと思います。
ですがカミングアウトは難しいと判断した場合は伏せ、それとなく距離を置いた方がいい場合もあります。
余計なストレスを溜めないためにも、無理をせずに子供を受け入れてくれる人の傍にいるよう心がけましょう。
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自閉症に対する差別や偏見は以前よりも減ったとはいえ、まだまだ自閉症の子供は思い切り羽を広げて生きれない世の中です。
親子ともに傷ついてしまうことも、たびたびあるでしょう。
ですがそこでくじけて引きこもってしまうのではなく、どんどん表に出て子供のことを知ってもらいましょう。
世の中には、必ず嬉しいことや楽しいことが転がっています。
子供の笑顔が少しでも多く見れるように、一日一日を大切にして過ごしたいものですね。
⇒「自閉症くんの母、やってます]
を読む!
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本記事は個人的体験談などに基づいて作成されており、脚色なども加えられている場合もあり、必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。この記事の情報を用いて行動される場合、ご自身の責任と判断により対応いただけますようお願い致します。尚、記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。