子宮外妊娠で腹腔鏡手術をした4泊5日の入院生活【嗚呼…難産体験記~妊娠発覚から手術まで子宮外妊娠編 まとめ】 by はみる
子宮外妊娠だった初めての妊娠。妊娠検査薬で陽性が出たので妊娠5週目に病院を受診したけれど、超音波(エコー)検査で胎嚢が確認できずソウハ手術を受けることに…。術後hcg値が下がらないので子宮外妊娠と確定され、腹腔鏡手術をすることになりました。受精卵が着床していたところは先生も初めて見るという症例で・・・
そんなはみるさんに描いていただいた【嗚呼…難産体験記~子宮外妊娠編~】の記事を今回はまとめて紹介させていただきます。
◆子宮外妊娠とは
異所性妊娠と言われる異常妊娠のひとつで、全妊娠のうちの約1%の確率で起こります。通常、卵子と精子が受精すると子宮内膜に着床し、受精卵はそこで成長していきますが、何らかの原因で子宮内膜以外のところに受精卵が着床してしまうことを「子宮外妊娠(異所性妊娠)」といいます。子宮外妊娠の大半は「卵管妊娠」で9割以上になります。
子宮外妊娠でも「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモン」が分泌されるので妊娠検査薬で陽性反応が出ます。妊娠5~6週以降にエコーで子宮内に胎嚢が確認できなければ子宮外妊娠の可能性が疑われます。
子宮外妊娠だった場合、卵管流産や卵管破裂などを引き起こし命の危険を伴うこともあるため早急に治療を行うことが必要となります。
残念ながら妊娠の継続はできません。
【妊娠トラブル・子宮外妊娠】
妊娠するとトラブル続き!子宮外妊娠・前置胎盤・切迫早産を経験しました!【嗚呼…難産体験記】
はじめまして、はみると申します。
(ハミルとはインドネシア語で「妊娠」の意味です。)
二児の男児の母をやっています。普段は健康そのものですが、なぜか妊娠するとトラブル続き…。最初の結婚では子宮外妊娠を経験しました。
今の主人との間には2人の男の子に恵まれましたが、1人目は前置胎盤、2人目は切迫早産…。妊娠するたび救急車に乗りました…。
このマンガは第2子妊娠中の約2ヶ月半の入院中に描きました。長い長ーい入院生活でした。私のレアな体験が誰かのお役に立てればと思っています。特に、今入院中の妊婦さんに読んでもらえるといいな~…なんて思ってます!そこのあなた!入院中は長い闘いだけど必ずゴールはあるよ!
第一話【妊娠検査薬は陽性なのに…】
はみるさんの漫画はコチラから⇒妊娠5週、胎嚢が見えない…先生から「流産は珍しいことじゃない」と言われ…【嗚呼…難産体験記~子宮外妊娠①~】
妊娠検査薬で陽性が出たので、産まれて初めて産婦人科に行ってみると…
先生「妊娠5週目のはずだけど、胎のう(赤ちゃんの袋)が見えないね~。念のために隣の市の総合病院に紹介状出しておくね。」
と言われました。訳が分からないまま隣の市の総合病院に行ってみると…
先生「子宮内に胎のうが見当たりませんね。①流産、②子宮外妊娠、③発育遅れのいずれかの可能性がありますね。」
と言われました。
先生「まぁ、10人に1人は流産してますからね。そう珍しいことじゃないですよ。」
と先生のきつい一言。
このセリフがいまだに忘れられません。
翌日、再び総合病院を受診
先生「やっぱり胎のう見当たらないね。hCG(ヒト絨毛性ホルモン)値が高いから、妊娠していることは間違いないんだけど…。子宮外妊娠か流産かを切り分けるためにソウハ手術を行いますね。」
と告げられ、そのまま処置台の上で子宮口を広げる器具を入れられました。ソウハ手術とは妊娠に関わる物質(胎のう、胎盤など)を全部掻き出し、妊娠を終わらせる手術のことです。それは人工的に陣痛を起こさせるのと同じで…
その処置のあまりの激痛に過呼吸を起こしてしまい、自分では処置台から降りられなくなってしまいました…。
第二話【子宮外妊娠確定。ソウハ手術と腹腔鏡手術】
はみるさんの漫画はコチラから⇒ソウハ手術と腹腔鏡手術を連続で・・・【嗚呼…難産体験記~子宮外妊娠②~】
子宮口を広げる器具を入れたまま個室へ入りました。けれど個室を堪能する間もなく、すぐにソウハ手術を受けることになりました。
それは、中絶と同じ処置です…。
ソウハ手術自体はあっという間に終わりました。しかしhCG値が下がることはなく子宮外妊娠であると確定されました。
そのため一刻の猶予もなく、二度目の手術を受けることに。
子宮外妊娠というと、多くの場合受精卵が卵巣や卵管に着床してしまうものですが、私の場合エコーで探してもMRIで探しても、どこにも受精卵が見つからないのです。
今度は腹腔鏡手術です。おへそに穴を開けて炭酸ガスを入れ、おなかをパンパンにして空間を作り、そのなかで処置を行います。術前検査では妊娠部位が特定できなかったのですが、腹腔鏡手術で見つかったその意外な場所はというと…。
術後――――
目が覚めると、全身筋肉痛になったような痛みや、頭痛、吐き気、口の渇き、お腹の違和感などといった全身麻酔の副作用がフルで襲ってきた!
第三話【子宮外妊娠手術後】
はみるさんの漫画はコチラから⇒赤ちゃんがいたところ【嗚呼…難産体験記~子宮外妊娠③~】
腹腔鏡手術後、全身麻酔から目が覚めると―――――
はみる「看護師さん、たしけて~(助けて~)、口の中がカパカパで死にそう…。」
看護師「じゃあ、うがいをしましょうね 体を起こしますよ。」
ベッドのリクライニングが上がった途端、
はみる「ぎゃああぁ!! か・体が…、強烈な肩こりのような痛みが…。ギブギブ!」
看護師「あらら、すぐベッドを下げますね!」
手術当日は、文字通り一睡もできなくて…。看護師さんが2時間おきにうがいをさせに来てくれました。けれど腹腔鏡手術は開腹手術より傷が小さいため回復が早く、翌日夕方には体が起こせるようになりました。
先生「はみるさん、お加減はどうかな?昨日はよくがんばったね!」
はみる「先生・・・。」
先生「エコーでもMRIでもどうしても見つからなかった、はみるさんの卵が、お腹をのぞいてようやく見つかったんだ!どこにあったと思う?」
はみる「・・・(今はすべての余裕がありません)」
先生「子宮外妊娠のうち98%が卵管妊娠なんだけど、はみるさんの場合、子宮と直腸の間「ダグラス窩(か)」に着床してたんだ!私も初めて見る症例だよ!」
先生「卵管や卵巣の場合、2つあるから妊娠部位ごと取ってしまえるけど、ダグラス窩は言ってみれば直腸に着床しているってことだからね。直腸は切り取れないので着床部位をできるだけ削ったけれど、hCG値が完全に下がらなかったから、抗がん剤で対応していくことにするね。」
第四話【私の赤ちゃん】
はみるさんの漫画はコチラから⇒5㎜程度しかなかった私の赤ちゃん…【嗚呼…難産体験記~子宮外妊娠④~】
子宮外妊娠で腹腔鏡手術を受け、術後先生から説明を受けました。
先生「それと、両方の卵巣に皮様のう腫っていう良性腫瘍があったので、外科の先生がとってくれたよ!」
そう言って先生は、腫瘍を写した写真を見せてくれました。
先生「皮様のう腫というものは毛髪や爪と同じ成分で出来ていて、誰にでも出来やすくて、自覚がない腫瘍なんだ。」
写真に写っていた皮様のう腫は、白っぽくてフニャフニャとして、ところどころに黒い毛が生えているというグロテスクなものでした。
先生「写真の真ん中に写っているのがダグラス窩から削り取った部分。はみるさんの赤ちゃん。」
一緒に写ってる定規から考えると、5ミリくらいの鮮血色の小豆のような物体・・・。手術のドタバタで忘れかけていたけれど、かくれんぼしていたけれど、確かに私の体内にいた私の赤ちゃん
ママの悪い部分を取り去ってくれた・・・。
もっと、ゆっくりしていってほしかったな・・・。
産んであげられなくてごめんね・・・。
ごめんね・・・。
【子宮外妊娠後の生理は…】
その後メソトレキセートという抗がん剤を2日間点滴しました。副作用はというと口内炎が少しできた程度です。そうしてhCG値は順調に下がって妊娠状態は終了。4泊5日入院してそのまま無事に退院し、1ヶ月ほどで生理も再開しました。
子宮外妊娠は妊娠全体のうち約1%です。
その多くは卵管妊娠ですが、私の場合、先生も初めて見るダグラス窩着床というものでした。初めての妊娠は非常にレアなケースで、とても残念なものでした・・・。
以上が私の子宮外妊娠の体験記です。
はみるさんの【嗚呼…難産体験記~前置胎盤編~】が現在連載中です。ぜひご覧ください。
はみるさんの記事一覧はこちらから⇒【嗚呼…難産体験記】
★フォローしてすくパラ事務局さんの最新記事をチェック!
本記事は個人的体験談などに基づいて作成されており、脚色なども加えられている場合もあり、必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。この記事の情報を用いて行動される場合、ご自身の責任と判断により対応いただけますようお願い致します。尚、記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。