夏休みこそ、ずぼら力を活用!【子育ては「ずぼら」な方がうまくいく②】 by 三浦直子
●夏休みお疲れさまです!
世間は今、夏休みまっただ中。全国のお母さんたち、本当にお疲れさまです。
子供の頃、あれほど楽しみだった夏休みは、母親になると「修行」意外の何もでもありませんね。
私はフリーランスの翻訳者なので家で仕事をしているわけですが、まあ、長期休みだと仕事がはかどらない!
学校がある時は、「給食で栄養は取れてるから、朝、夕は手抜きでもオッケー!」と頼りにしている給食もない夏休みは3食作らなくちゃいけないのがまず大変。
その間に、小学4年生の息子は「腹減ったー」とか、「ヒマなんだけど」とかあれこれ言ってくるので、そのたびに仕事の手を止めないといけないわけです。
●夏休みこそ、ずぼら力を活用!
前回は、すべてを完ぺきにやろうとせず、手を抜けるところは極力手を抜くという「ずぼら力」についてお話しましたが、こんな夏休みこそずぼら力を発揮する時!
昼は基本的に、麺類、前日の残り物、コンビニのローテーション。ちょっと頑張って昼にスープや味噌汁など作ろうものなら、「昼だけにこんなに手かけてられるか!」とばかりに、必ず多めに作って夜に使い回します。
子供と向きあう時間が多い夏休みですが、今回は「ずぼら力を活用する方法 子育て編」として、ずぼら流子育て術を紹介したいと思います。
●子育てが一番じゃなくてもいい
昔よりは、母親業をやっている私たちにとってだいぶ自由な世の中になったとはいえ、「親は子供のために生きるもの」という考えが、やっぱりまだうっすらと残っているように思います。ネットで子育てのお悩み相談サイトをちょくちょくのぞいているんですが、そこでも「専業主婦なのに子供を保育園に預けて息抜きするなんて罪悪感がある」とか、義母にちくちく文句を言われたなどという悩み相談を見かけることがよくあります。
たまに息抜きすることの何がいけないんでしょうね?!
おそらく義母の子育て時代には「息抜きのために保育園に預ける」という概念がなかったので、「私たちが苦労したんだからあんたもラクしないで苦労しなさい」ということなんでしょう。まったくいい迷惑ですね(笑)。ラクできる手段が身近にあるのなら、どんどん活用すればいいんです。
誰でも生まれた時から人生は自分のもの。
どうして子供が生まれたとたんに
自分を犠牲にしないといけないんでしょう?
●ママだからこそ楽しんで!
もともと私は昔から子供がニガテでした。決して嫌いというのではなくて、どう接していいか分からない。「このニガテ感を克服するには自分の子供を産むしかない」とまで思っていました。だから「子供が欲しい」という気持ちもなかば「育ててみたい」という好奇心。出産した時の感想も、生まれてきた我が子を見て「なんてかわいいの!」というよりは、「うわ! 本当に人間がお腹の中に入ってたんだ!」という驚きの方が大きかったです。
そんな感じなので、「子供の成長が生きがい」だとはまったく思っていません。「生きる原動力」にはなっていますよ。でも、基本的に我が子といえども自分とは別人格だし、コントロールできるものではないし、したいとも思いません。親のつとめはとにかく子供がまっとうに成長してちゃんと社会で働けるようになるまでサポートに徹することだと思っています。
親になっても自分の好きなこと、やりたいことをやった方が健全だと思うんですよね。
親になったからって急に子供のために生きなくていい。
自分の人生は自分だけのもの。それは親になったって変わらないはずです。
親の背中を見て子は育つといいますが、楽しそうに生きている親の背中を見せてあげるのが最高の教育ではないでしょうか。
●たまに母親であることを放棄する
母親業には休みがありません。朝から夕方まで仕事したあとは、「さて夜の部!」という感じで子供に宿題をやらせ、夕飯の支度をして、食べて、片づけて、洗濯物をたたんで、子供に「お風呂に入りなさい」とか「歯を磨きなさい」とか「明日の用意しなさい」とか急かしたり…。それでもダラダラしている子供。特に仕事が忙しい時は、もう怒る気力も残ってない、ということがよくあります。
そういう時はもう、母親業を放棄しちゃいましょう。
「お店だって閉店時間があるんだから母親業も閉店時間があってもいいじゃないか!」というわけで「本日は業務終了!」と宣言しちゃう。
子供が宿題をやってなかろうが、明日の用意をしていなかろうが、自分はさっさとお風呂に入り、自分だけ布団に入ってしまう。子供が宿題をやってなかろうが、洗濯物がたまってようが、夕飯を食べたあとのお皿が山積みになっていようが、1日ぐらいなら別にどうってことありません。いつもは口うるさい母親がたまにこういう行動に出ると、子供はびっくりして自分からちゃんとしてくれる(かもしれない)という効用もあります。
いつも仕事も育児も頑張ってるんだもの。1日だけ、ちょっとぐらい母親業や仕事を放棄したっていいじゃないですか。
「今日はもういいや~」と何もかも放棄して早く寝るとまた次の日からやる気が出ます。
●夏休みの工作問題
基本、うちではなるべく子供に手をかけないのがモットー。
世の中の小学生の親が頭を悩ませる問題のひとつに「夏休みの工作宿題」があります。授業参観などで校内に展示されている作品を見ると、「あきらかに親が手を加えたな」と分かるような素晴らしい作品が並んでいます。しかし、我が家はあえていっさい手を加えないで提出します。
以前、夏休みの宿題で防災ポスターが課題になったことがありました。デザインも何もかも息子に任せて、「できた」というので見てみると、いかにも「めんどくさいから適当に終わらせました」という感じのやっつけ仕事感満載の出来栄え…。ポスターだというのに、クレヨンでちゃちゃっと描いておしまいにしようとしていたので、さすがにそこは「背景の色ぐらい絵の具で色を塗れ」と注意しましたが、基本は息子一人でやらせました。親が手を加えてきれいに仕上げるという方法もありますが、うちの教育方針は
「ありのままで勝負!」(というか親が面倒くさい)。
ちゃんと描いてきた子の作品と並べられたらかなり恥をかくであろう出来ですが、「恥をかくのも経験!」ということでまったく手を加えないで送りだしました。これで「恥ずかしい」と思って今度はちゃんとやろうと思ってくれればと願っているんですが、けっこう平気だったりして(笑)
●あえて手出しはしないで失敗させてみる
子供って本当に親の言うことを聞かないものですよね。宿題をしなさいと言ってもしない、朝はだらだらしていてなかなか学校に行く支度をしない。そんな時はもういっそ宿題をやらないまま学校に行かせてみる。朝、支度をしないなら遅刻しても放っておいてはどうでしょう。
そういえば、小学校に入ったばかりの頃、親が明日の持ち物のチェックをするという人が多いなか、うちは面倒なので息子には全部自分でやらせていたら、やっぱり時々忘れ物をすることもあった様子。それで先生に怒られて懲りたのか、毎日ちゃんと確認するようになりました。
やっぱり子供はどんどん失敗して恥をかいたらいいんです。きっと親が10回注意するよりも、一度実際に失敗してみる方が心に響くことでしょう。
次回は、「“ずぼら力”を活用する方法 人間関係編」。ずぼら力で人間関係をラクにする方法をお話ししたいと思います。
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