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自閉症の息子が迷子になった時のために作ったワッペンの思い出『息子は自閉症。ママのイラスト日記㊲』


 

部屋の整理をしていたら、懐かしい物が出てきました。

こもたろが2、3歳の頃でしょうか。
療育に必死になっていた時に作った「写真カード」や「ワッペン」……。

写真カードとは、ポラロイドカメラで撮った写真に、それぞれ名称を書き、リングでひと綴りにまとめたものです。

ワッペンは、こもたろが幼少期の頃、身につけさせていたもので、私が手作りしたものでした。
このワッペンには強い想い入れがあり、そのことについてちょっとお話したいと思います。

まだこもたろに発語がなくて、親である私の名前も、自分の名前も言えなかった頃。

こもたろは感覚過敏からか手も繋げず、当時は手首を掴んでいたのですが、すぐにその手を振りほどいて走り去ってしまう子でした。

落ち着きがなく、注意力も散漫。危険予測もできないので、手を離したらそのまま道路へ一直線。
飛び出して事故に遭う可能性だって大いにありました。そのためまず、命を守るために万全を期して子供用リード(リュックサックにリードが付いたもの)を身につけさせていました。

そして万が一私とはぐれた時、こもたろが私の元へ無事に帰ってこられるようにという思いで作ったワッペンをつけました。迷子カードのようなものですね。

表面には「発達障害です。ぼくが1人でいたら、この裏を見てください」と書きました。

裏面には
「ぼくは自閉症です。知的障害があります。言葉をしゃべられません。自分の名前を言えません。お母さんの名前がわかりません。ぼくはお母さんとはぐれてしまいました。今、ぼくのお母さんが必死になってぼくを探しています。すみませんが、この電話番号に連絡をしてください。✕✕✕-✕✕✕―✕✕✕✕」

これを作っている時は胸を締め付けられるような思いでした。
自分の名前を言えない、お母さんの名前を言えない…
書きながら突きつけられる現実に、涙が溢れて止まりませんでした。

その後、このワッペンが役に立つような場面は訪れませんでしたが、このワッペンを見ていると、今でも当時を思い出し、切ない気持ちになってしまうのです。

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